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F-35戦闘機やC-17軍用輸送機が超低空で目の前を旋回していくイギリスの有名スポット「Mach Loop」


F-22「ラプター」やF-35「ライトニング II」、「ユーロファイター タイフーン」などの戦闘機やC-17「グローブマスター」のような巨大な軍用輸送機が、狭い谷の中で低空飛行訓練を行う場所がイギリス・ウェールズの渓谷地帯にある「Mach Loop」(マックループ)です。ここでは、山の中腹や頂上に立てば、素早い機動で機体を左右に振りながら猛スピードで飛び去っていく機体を目の当たりにすることができます。

Giant C-17 Airlifter Does Low Level at the Mach Loop
http://www.popularmechanics.com/military/aviation/a27244/c-17-airlifter-mach-loop/

Mach Loopは、ロンドンから自動車で370kmほど離れた場所に位置している、イギリス空軍の低空訓練空域「LFA7(Low Fly Area 7)」内にある直径約8キロ圏内の周回路のこと。イギリス空軍のほか、NATO軍の訓練にも用いられており、アメリカ空軍の戦闘機が峡谷を飛び抜けることもあります。


そんなMach Loopは飛行機の撮影スポットとしても有名で、YouTubeで検索するといくらでも映像がヒットします。たとえば、F-22「ラプター」とF-15が飛ぶ様子を収めた以下のムービー。

Raptors and Eagles in The Mach Loop, Wales. - YouTube


なだらかな丘陵の向こうからやって来たのは……


F-15戦闘機


このムービーでは、動画に加えて高精細な静止画像が差し込まれており、その見事な仕上がりには舌を巻くレベル。


続いてやってきたのが……


F-22「ラプター」。画像を拡大すると、見事に機体のディティールが収められていることがよくわかります。


翼端からベイパー(水蒸気)を引きながら旋回するラプター。その様子からも、機体に強い旋回Gがかかっていることがわかります。


フルバンクしてほぼ真上のアングルからF-15を撮影できたショット。普通ならこんな角度から機体を見られることなど、まずあり得ません。翼の下に装備されたミサイルなどもよくわかります。


ラプターもフルバンク。ラプターはステルス性を高めるため、ミサイルなどは全て機体内に隠してあるので、F-15のような丸見えの状態ではありません。


コックピットにここまで寄った写真も。飛行機を写真に収めるスポッターにとって、これ以上ないロケーションといえそうです。


アメリカ空軍のF-35が初めてのMach Loopにやってきた時という映像がコレ。

USAF F-35 Low Level Flight Mach Loop, First Time - YouTube


ベイパーを引きながら飛んでくるF-35。


あまり寄ったアングルはありませんが、ものすごいスピードで流れる背景との対比に「ありえない感」がヒシヒシと伝わってきます。


お腹を見せながら向こう側に旋回していくシーンも。


CV-22「オスプレイ」もMach Loopにやってきたことがあるようです。

USAF CV-22 OSPREY Mach-Loop RAF Mildenhall - YouTube


これまでの戦闘機とはうって変わって、ゆっくりとした速度で飛んでくるオスプレイ。


よく見れば、プロペラとエンジンが一体となって傾く「ティルトローター」が起こされた状態になっています。狭い峡谷をすり抜けるということで、スピードよりも機敏性を重視した状態になっているのかも。


峡谷を抜けると、ティルトローターが完全に倒された状態になったことからも、その狙いが感じられます。


Mach Loopを飛ぶのは戦闘機だけでなく、C-17輸送機、通称「グローブマスター」のような輸送機も。

Legendary low level C-17 Globemaster in the Mach Loop - 7th July 2017 - YouTube


巨体を漂わせながらやってくるグローブマスター。


まるで「ししゃも」のようにまるっとしたお腹を見せながらターンしていきます。


ムービーの1分30秒あたりからは、昇降舵を動かして機体をピッチ方向にヒクヒク動かしながら姿勢を整え、ターンに入るタイミングをはかる場面も。「よくぞこの瞬間を撮った!」とたたえたい気持ちになるワンシーンです。


巨体を揺らしながら、谷の向こうへと消えていきました。主翼の上の補助翼をパクパク動かしながら姿勢を制御している様子もよく見えます。


「最強の攻撃機」と称されることもあるA-10攻撃機、通称「サンダーボルトII」または「ウォートホッグ」もMach Loopに飛来。

A-10s "...for the Low Fly" - YouTube


「ギィィィン……」という他の軍用機とは違う音をたてながら通過して行くウォートホッグ。


よほど珍しいのか、興奮を隠せず歓声を上げるスポッターも。それにしても多くの人がカメラ片手に詰めかけていることがわかります。


最後に、ユーロファイター タイフーンのコックピットから撮影された映像。

Flying the Typhoon Through the Mach Loop at Low Level - YouTube


滑走路脇で出発を待つタイフーン。


親指を上げて訓練に出発。


上空では、もう一機のタイフーンとタンデム飛行。


そしてMach Loopへ侵入。この時の機速は時速約830kmで、旋回時には4Gほどの力がかかっていると音声コメントが入っています。


Mach Loop一帯には、湖もある模様。湖面の上を低空飛行する様子も。ものすごいスピードで流れて行く風景に、とてつもない非日常さを感じられるムービーとなっていました。


Mach Loopの情報を扱う「The Mach Loop」では、Mach Loopへの行き方や撮影ポイント、航空無線の周波数などが紹介されています。軍の訓練という特性上、フライトが見られるタイミングは事前にわからず、サイトにも「来る時には来る」としか記載はありませんが、「行ってみたい・撮ってみたい」と思ってしまった人は必見です。

The Mach Loop – LFA7 North Wales

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in メモ,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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