あの「Google Glass」が2年の沈黙を破って販売拡大を発表
Google Glassを早期導入するための「グラスエクスプローラープログラム」が正式に終了してから早くも2年半が経過し、Google Glassはこのまま幻の端末として記憶の彼方に消え去るのではないかと考えていた人も多いはず。しかし、Google Glassは新しい形でよみがえろうとしていることが明らかになっています。
A new chapter for Glass – The Team at X
https://blog.x.company/a-new-chapter-for-glass-c7875d40bf24
[It lives!!!] Google Glass emerges from 2-year silence with new Enterprise Edition and wider availability to partners
http://www.androidpolice.com/2017/07/18/lives-google-glass-emerges-2-year-silence-new-enterprise-edition-wider-availability-partners/
復活の兆候は、3年以上なんの音沙汰もなかったMyGlassアプリにアップデートが配信されたことでした。さらに、Glass Explorer Edition向けにファームウェアアップデートも登場しました。その後、旧Google Xで現在はGoogleから分離したXのプロジェクトリーダーであるジェイ・コタリ氏が、ブログの中で新バージョンのGlassを発表しました。
新しく発表されたGlassは企業向けの「Glass Enterprise Edition」という名称のもので、さまざまな業界で働く従業員を支援するのに役立つ端末だそうです。例えば、Upskill製の別注ソフトウェアと併用することで、航空機のメンテナンスや組み立てを行う際に、重要な指示情報を目の前に表示しておくことが可能。実際、航空機エンジンメーカーのGE AviationのメカニックたちはGlassを装着して作業を行っているそうです。Glassはメガネのように装着して使用する端末なので、両手を自由に使えるため、作業効率は8~12%向上すると見積もられています。また、整備士などがコンピューターや文書を参照するために手に持っているツールを下ろす際に発生するエラーも減る、とXは主張しています。
以下の画像の左側に写っているのはGE Aviationで使用していた組み立てマニュアルで、右側に写っているのはGlass Enterprise Edition。
GE Aviationの他、農業用マシンメーカーのAGCOや国際宅配便のDHL、フォルクスワーゲンなど50社以上の企業と協力する中で、ソフトウェアをカスタマイズし、新しいクライアントのニーズを満たすことが可能になったと主張。また、Glassの悲惨なバッテリー寿命や長時間着用しても快適に過ごせるように、バッテリーライフや着け心地についても改良が加えられているそうです。
なお、農業用マシンメーカーのAGCOはGlass Enterprise Editionを着用することで機械の生産時間を25%、検査時間を30%短縮することに成功したそうです。
そんなGlass Enterprise Editionのデザインはこんな感じ。Glassの本体は着脱可能となっており、度付きの眼鏡や作業用ゴーグルなどに装着可能。また、WIREDによると、Glass Enterprise Editionはこれまでの500万画素のカメラから800万画素のカメラにアップグレードされており、他にもバッテリー持続時間は8時間に延長されたとのことです。なお、Xは企業向けにGlass Enterprise Editionの販売を拡大していく計画であるとしています。
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