卓球のピンポン球はどうやって作られるのかその一部始終を追いかけたムービー
温泉旅館のレクリエーションとして定番の卓球は、誰でも気軽に楽しめるスポーツとして親しまれています。そんな身近なスポーツの卓球に使われるボール「ピンポン球」がどうやって作り出されるのかを、世界最大のピンポン球メーカーの工場の製造工程をとらえたムービーが公開されています。
Pingsider | How Table Tennis Balls are Made - YouTube
卓球のピンポン球は一体どうやって作られているのでしょうか?
卓球を事実上の国技とする中国にある、世界最大のピンポン球製造メーカーDHS(ダブルハピネス上海)の工場。
倉庫にピンポン球の原材料が保管されています。
これがピンポン球の基となるプラスチック製のシート。かつてはセルロイド製でしたが、最近のピンポン球はプラスチック製に変更されています。
プラスチックシートは、1枚1枚手作業で重さが計測されます。
基準から外れたシートは除外されます。
ステップ1は、「Shaping(成型)」
このような機械で押し出して、シートは半球状に成型されます。
40度のお湯につけることで、裂け目ができるのを防いでいるとのこと。
シートは半球状のカップに変化しました。
ステップ2は「Edge Trimming(バリ取り)」
積み重ねられた半球状のシートは……
特殊な機械で1枚1枚送り出されると……
回転しながらカッターでふちの部分がカットされます。
キレイにエッジが切り落とされて、より半球らしくなりました。
なお、どうやって球に近い形状にできるのかは企業秘密だとのこと。
ステップ3は、「Glueing(接着)」
2枚のカップを型にはめ込むと……
機械がぴったりと2つの半球を接合して、球形になりました。
配管を通って……
集められます。
ようやく球形になったピンポン球は、安定するまで45℃から50℃の倉庫で15日間保管されます。なお、従来のセルロイド製ボールの場合、60日かかっていたので、プラスチックボールになったことで非常に期間を短縮できているとのこと。
「品質チェック」
最後に品質チェックの工程。チェックをするのは人間です。
DHSではダブルチェック体制による品質チェックが行われているとのこと。
品質チェックは5工程あり。第1工程は、ライトを当てた状態での表面や接合部分のチェック。
右のピンポン球は、接合部分が均一でないとのこと。
品質チェックをクリアできなかったボールは廃棄されます。
次に、「VEEP」と呼ばれる転がり試験。
特殊な機械からピンポン球を転がして……
まっすぐ転がるかをチェック。一定の範囲内に転がるピンポン球以外はふるい落とされます。
3つめの工程は「硬さ」のチェック。
特別な機械を使って、複数の箇所の硬さをチェックします。
第4工程は「重量」のチェック。
2.68グラムから2.76グラムまでの範囲に収まっているかをチェックします。
最後に「真円度」のチェック。
0.01mm単位での細かな大きさがチェックされます。
3度の世界チャンピオン経験を持つワン・リーチン氏は、「セルロイドボールからプラスチックボールに変化したことで、ピンポン球の精度が高くなり、プレイの安定性が増した」と述べ、DHSのボールの精度の高さにお墨付きを与えています。
すべての品質チェックをクリアしたら、最後にロゴの印刷作業。
6つのボールに一気にプリントできる機械が用いられています。
赤字が先にプリントされて……
次に、黒字のロゴが印刷されました。
こうしてピンポン球が完成。
パッケージ作業は全自動化されています。
1日に60万個のピンポン球が出荷されるそうです。
競技スポーツとしてだけでなく、娯楽として多くの人に愛される卓球は、誰でも簡単に楽しめる球技ですが……
ピンポン球の製造は簡単ではないようです。
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