LinuxからOnedriveを使うと遅くなるが「Windows」をユーザーエージェントに加えると高速化する
Microsoftのクラウドストレージサービスの「Onedrive for Business」は、使用するOSがLinuxの場合、Windowsの場合に比べて速度が劇的に遅くなるという問題が指摘されています。
Onedrive for Business open is very slow on Linux - Microsoft Community
クラウドストレージサービスの「Onedrive for Business」は、複数人で共同作業できるサービスです。Onedrive for Businessは当初はLinux OSをサポートしていませんでしたが、その後Linux OSでも使えるアップデートが施されました。
しかし、「LinuxからOnedrive for Businessを使うととても遅い。しかしユーザーエージェントにWindowsを加えるととても速くなる」という内容が、2016年11月26日にMicrosoftのサポートフォーラムに挙げられました。
疑問の声を上げたのはDam Lecさんで、LinuxベースのUbuntuでChrome・Firefoxで使うと、Windows OSからアクセスするときよりも遅いという内容です。興味深いことに、Lecさんがユーザーエージェントに「Windows」を加えると、予想通りOnedrive for Businessが高速化したとのこと。ユーザーエージェントとは、使用しているブラウザとOSの種類をウェブサイトに知らせるコードのことで、ウェブサーバーがブラウザと互換性のあるコンテンツを配信するために設けられた機能です。Lecさんは、LinuxからOnedrive for Businessにアクセスするのを「Windowsからアクセスしている」と偽装することで、高速化に成功したというわけです。
この扱いを疑問に思ったLecさんは、「Onedrive for Businessでユーザーエージェントをチェックする機能を外すことはできませんか?」と質問しましたが、Microsoftのサポートはあくまでユーザーエージェントの変更方法を指南するのみ。
諦めたLecさんは、必要に応じてユーザーエージェントを選択して切り替えられる拡張機能をブラウザにインストールすることで対応しましたが、あくまでこれは回避策に過ぎず解決策とは言えないと主張。
このやりとりに対しては、「ユーザーエージェントのチェック機能は後から追加された機能で、Onedrive for BusinessをWindowsで利用することを半ば強制するものだ」という意見など、Onedrive for Businessの挙動改善を求める指摘が出されました。
結局、MicrosoftはOnedrive for BusinessでのユーザーエージェントチェックでWindowsと確認されないLinuxで速度が著しく劣る問題に対応しなかった結果、Lecさんは「ありがとう。Google Appスイートに戻ります」と書き残して、Onedrive for Businessの利用をやめると三行半を突きつけられています。
そして、問題が指摘されてから約4カ月後の2017年3月23日になり、MicrosoftがLinuxからOnedrive for Businessにアクセスするときに低速化する問題は完全に解決されたと報告しています。
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