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Windows 10フリーズ問題を解消するはずの修復ツールが原因でさらなる別の不具合発生


Windows 10の公式アップデートを適用すると「PCがフリーズする」という問題が発生していたのですが、そのフリーズ問題を解決するためのMicrosoft謹製・非公認ツールが公開され、ツールを使用するとさらなる不具合が起きるというまさにカオスな事態が発生しています。

Windows Self-Healing Tool may fix the freezing issue on Windows 10 • Pureinfotech
http://pureinfotech.com/windows-self-healing-tool-fix-freezing-issue-windows-10-download/


正式リリースから1周年を迎えたWindows 10は、2016年8月2日に「Windows 10 Anniversary Update」を配信しました。このアップデートではウェブブラウザのEdgeが拡張機能に対応したり、音声アシスタントのCortanaがロック画面からも使えるようになったりと、さまざまな新機能が追加されています。

しかし、Windows 10 Anniversary Updateのアップデートを行ったWindows 10ユーザーからは、「インターネットの回線速度が低下した」や「PCの設定がリセットされた」、「PCがフリーズした」という問題が報告されており、Microsoftはその原因の調査に乗り出していました。

Windows 10のアップデートでPCがフリーズする問題をMicrosoftが正式に認め対応策を公開 - GIGAZINE


そんなWindows 10 Anniversary Updateへのアップデートにより起きるフリーズ問題を解消するため、Microsoftは「Windows Self-Healing Tool」というツールを開発していることが明らかになりました。同ツールはWindows Insider ProgramのメンバーであるMarkMazzettiさんが、Microsoftの公式コミュニティ内で公開しており、MarkMazzettiさんいわく「Windows 10のフリーズ問題を確認したあとMicrosoftに連絡をとったところ、『Windows Self-Healing Tool』を試してみるよう勧められた」と説明しています。

MarkMazzettiさんによると、Microsoftのサポートは「フリーズ問題は『既知の問題』であり、Microsoftは問題を解決するために『Windows Self-Healing Tool』を開発中である」と答えたそうです。Microsoftの「開発中」という言葉からもわかる通り、このWindows Self-Healing Toolはまだテスト段階のツールだそうで、動作が安定していません。MarkMazzettiさんがWindows Self-Healing Toolを使用したところ、適用されるのに約40分もかかったそうで、「Windows Updateの問題を解決するためのツールに関する問題を報告する羽目になった」と説明しています。ただし、Windows Self-Healing Tool適用後、Windows 10のフリーズ問題は解消されたそうで、問題の根本の部分が解決するのなら、とMarkMazzettiさんはコミュニティで同ツールを公開した模様。


Windows Self-Healing Toolにより発生する副次的な問題というのは、Surface Bookの画面がランダムに点滅するようになるなどです。当初、この不具合は解決しないまま放置されていたそうですが、MarkMazzettiさんはMicrosoftのサポートから「Advanced Troubleshooter」を実行し、再び「Windows Self-Healing Tool」を実行、その後、コマンドプロンプトを使用して「sfc/scannow」コマンドを実行するよう指示されたそうで、これらを実行したあとは画面点滅の不具合も発生しなくなったそうです。

これに対して、ニュースメディアのZDNetは「実際にWindows Self-Healing Toolをダウンロードしてみたところ、いくつかの疑問点が浮かび上がってきた」と報じています。

Unauthorized, mislabeled Microsoft support tool leaks; could cause more trouble than it cures | ZDNet
http://www.zdnet.com/article/unauthorized-mislabeled-microsoft-support-tool-leaks-could-cause-more-trouble-than-it-cures/


Windows Self-Healing Toolに関する疑問点というのは、ファイルのコピーライトが「2015」となっており、著作権者が「Microsoft Mobile Oy」になっているという点です。この「Microsoft Mobile Oy」というのは、Microsoftが2013年に買収したノキアのハードウェア部門のMicrosoft下での名称。


ただし、ZDNetはノキアが過去に公開した「Nokia Software Recovery Tool」というパッチツールが、Windows Self-Healing Toolと同じMicrosoft Azure BLOB ストレージアカウントによりアップロードされていたとしており、同ツールはMicrosoft製のものである可能性が高まっています。

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in ソフトウェア, Posted by logu_ii

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