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任天堂の宮本茂と青沼英二が語る若い世代の開発者の育て方


Nintendo Switchの発売を2017年3月3日に控えた任天堂のゲームプロデューサー宮本茂氏と青沼英二氏が、GameInformerのインタビューで、同社の若い開発者について興味深い話をしました。宮本氏と青沼氏の話からは、任天堂がどのようにして同社の理念である「新しい娯楽の創造」というのを若い世代に伝えようとしているのかが垣間見えます。

How Miyamoto And Aonuma Are Training Nintendo's Next Generation - Features - www.GameInformer.com


スプラトゥーン2やNintendo Switchは任天堂の若手の開発者が多く関わった製品です。宮本氏によれば、デザインには「ゲームの遊び方といった骨組みを作るデザイン」と「どのようにデコレーションするかという表現のデザイン」があり、表現のデザインについてある程度年齢を重ねると若い人にはついて行けない部分があるとのこと。そのため表現のデザインについては若い人たちがどんどんやればいいと思っているそうです。ただし、若い人が表現と骨組みのデザインまで全てをやると、流行を取り入れた「ありがちなもの」になる傾向があり、任天堂らしい骨組みというのはベテランがしっかりと抑える必要があります。任天堂の社内では、若い開発者とベテランとの間でノウハウの伝達がうまくいっているとのこと。


青沼氏が若い開発者たちと仕事をして感じるのは、最近の若い子はものすごく「真面目」ということ。真面目にものを考えるというのは悪くないことですが、真面目に考えすぎるため迷ってしまうことが多々あるそうです。そこで、青沼氏は若い開発者に「迷ってるアイデアの中から1つを選び、もしそれが失敗したら「ごめん」と謝ればいいだけだから」とアドバイスをするとのこと。こういうことを繰り返してアイデアを早く形にし、自分で「これはいける!」という線を見つけないと、ゲームというのはなかなか形にならず、アイデアだけで終わってしまうことが多々あるそう。こういったアイデアを形にしていくサイクルについて教えることが、青沼氏や宮本氏といったベテランの仕事の1つになっています。


宮本氏が話す「ゲームの遊び方といった骨組み」というのは、任天堂のオリジナリティのことを指しています。このオリジナリティは任天堂の創設から今まで受け継がれているように思えますが、宮本氏は、「任天堂は流行と競争するのではなく独自のモノを作るという姿勢を持っていて、あなた(開発者)が考えたものをちゃんと伝えていくというのが大事で、今までの伝統を守っていくのとは違う」と話しています。


宮本氏や青沼氏といったゲーム業界で伝説となっている人たちと仕事をするというのは、若い開発者にとって素晴らしい経験であると共にものすごいプレッシャーがかかります。青沼氏は若い開発者にどのように接して欲しいかについて「僕たちの『視点』を参考にして欲しい。僕が宮本さんに完成したタイトルを見せると、宮本さんから予想もしないことを言われるんですよ。え!そうきたの!っていう(笑) これがものすごく楽しい。『そうか、宮本さんはそう考えるんだ』というところで、自分たちの作品に対する新しい考え方が生まれてきます。こういうことを繰り返していくと、任天堂らしさというのが出てきます。だから先輩たちをこういう形で作って欲しいなと思いますね」と語りました。

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in 動画,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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