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トランプ大統領の移民政策にシリコンバレー各社が反旗、IT著名人の意見まとめ


アメリカのトランプ大統領がシリア難民の受け入れを停止し、イラク・イラン・ソマリアなどのイスラム教徒が多数派を占める国からの入国も一時停止とする大統領令に署名し、大統領就任前からの宣言通り強硬な移民政策を実行し始めました。しかし、シリコンバレー各社のトップからは、トランプ大統領の移民政策を支持しないというメッセージが次々と出されています。

Silicon Valley’s responses to Trump’s immigration executive orders, from strongest to weakest - The Verge
http://www.theverge.com/2017/1/28/14426550/silicon-valley-trump-immigration-response

Apple, Microsoft and Uber help staff stranded by Trump ban (update: Airbnb)
https://www.engadget.com/2017/01/28/apple-microsoft-and-uber-help-staff-stranded-by-trump-ban/

Apple, Uber, Netflix, Twitter join corporate rebuke of Trump immigration policy
http://mashable.com/2017/01/28/tim-cook-apple-uber-trump-immigration-ban/

シリコンバレーは世界各地から優秀な人材を受け入れることで発展してきたという歴史があることから、トランプ大統領の排他的な移民政策に対して反対の立場をとる人が少なくありません。そして、すでにテクノロジー企業のトップが「トランプ反対」を明確に打ち出し始めています。

クラウドストレージサービスBoxのアーロン・レヴィーCEOは、「道徳的、人道的、経済的、論理的などすべての面でトランプ大統領の入国禁止政策は間違いで、完璧にアメリカの持つ理念に反している」とツイートしています。


配車サービスのLyftのローガン・グリーンCEOは、ReCodeの取材に対して、「私たちの歴史を通じて、私たちは多様性を受け入れ良心的なコミュニティを作るために懸命に働いてきた。そうすることでドライバーと乗客が歓迎と尊敬を感じることができる。特定の宗教の人がアメリカに入国するのを禁止することはLyftとアメリカの価値観に反している」と述べ、トランプ大統領の政策に反対しています。

ムービーストリーミングサービスNetflixのリード・ハスティンCEOは、「トランプ大統領の行動は、世界中にいるNetflixの従業員を傷つけている。そして、アメリカ人ではないすべて人に痛みを与えている。悪いことに、トランプ大統領の行動によって憎しみが生まれ友好が失われることで、むしろ安全が失われるだろう」とFacebookに記しています。


Googleマップの開発などに携わった著名な開発者のブレット・テイラー氏は、「なんと恥ずかしいことだ。(デモに参加しているので)学生達は学校に戻れない。アメリカの長期滞在者も家族を引き裂かれてしまう」とつぶやいています。


チャットツールSlackのスチュワート・バターフィールドCEOは、「私たちは定期的に『明らかなこと』を再確認する必要がある。すべての人には平等な価値がある。黒人の命は重要だ。LGBTには結婚する権利がある」と述べ、間接的にトランプ大統領の考えを批判しています。


テクノロジー企業専門のベンチャーキャピタルYコンビネーターのサム・オルトマンCEOはブログで、「安全と規則に対してはもちろん賛成だが、特定の宗教をターゲットにするような行動は間違った解決策であり、反対する」と述べた上で、最近会ったシリコンバレーの多くの企業の重鎮がトランプ大統領に反対していると述べています。

民泊サービスAirbnbのブライアン・チェスキーCEOは、アメリカ政府によって拒絶されたすべての移民のために宿の無料提供を宣言。必要ならば自分に声をかけるように訴えています。


一方、明確な反対を表明していないものの、基本的にトランプ大統領の移民政策に反対の立場をとるのがAppleやGoogleです。Appleのティム・クックCEOは、従業員に向けたメッセージで「多様性がAppleを強くする。Appleは移民なしでは存在しないだろう」と述べ、Appleの共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏の父がシリアからの移民であったことを思い起こさせるメッセージを出しています。

また、自身もインド出身の移民であるGoogleのサンダー・ピチャイCEOは、「私たちの仲間が個人的な負担を抱えるのを見るのは痛ましい」とBloombergに対して答えています。そして、ライアン・マック氏によると、Googleの共同創設者のセルゲイ・ブリン氏は「私は反対の立場をとる。なぜなら私は移民だから」と述べたとのこと。


同じく南アフリカ出身の移民であるテスラモーターズのイーロン・マスクCEOは、「トランプ大統領の移民政策で悪い影響を受ける人の多くは、アメリカにとって強力なサポーターである。彼らは正しい行いをし、間違っておらず、拒絶されるに値しない」と述べています。


Twitterのジャック・ドーシーCEOは、「アメリカ国民は、移民や難民がもたらしたものから利益を得ている」とツイート。


Twitterとしても、「Twitterはさまざまな信仰もつ移民によって作られています。私たちはいつも彼らの側に立ちます」と移民支持を表明しています。


他方で、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOや、アメリカ政府から多くの仕事を請け負っているMicrosoftは「懸念している」と述べるにとどまっています。そして、アメリカ国内での10万人の新規雇用をトランプ大統領に約束したAmazonは「従業員や家族のサポートを約束し、今後も状況を注視します」と従業員に向けてメッセージを送るにとどまり、反対の姿勢を明確には打ち出していません。

シリコンバレーのハイテク企業が世界のIT分野を牽引し、アメリカに富と力を与えてきたことはまぎれもない事実であり、アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領にとって、多くのシリコンバレーの住人が反旗を翻したことは痛手と言えそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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