半世紀以上も昔に出版されたジョージ・オーウェルの「1984年」がAmazonでベストセラーになった理由は?
「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」にも選ばれた1949年出版のジョージ・オーウェルの著書「1984年」が、2017年になってAmazonの書籍ベストセラーで1位の座に輝きました。
Sales of George Orwell's 1984 surge after Kellyanne Conway's 'alternative facts' | Books | The Guardian
https://www.theguardian.com/books/2017/jan/24/george-orwell-1984-sales-surge-kellyanne-conway-alternative-facts
George Orwell's '1984' hits bestseller list again - CNN.com
http://edition.cnn.com/2017/01/24/us/george-orwell-1984-bestseller-trump-trnd/
ジョージ・オーウェルの「1984年」は全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いた作品です。ドナルド・トランプ新大統領の顧問であるケリーアン・コンウェイ氏がインタビューで「Alternative Facts(代替の事実)」というフレーズを使ったのですが、この言葉は「1984年」を連想させるフレーズだったことから、「1984年」がAmazonの書籍ランキングで上昇し始め、1949年の名書が2017年になってベストセラー1位をゲットするという現象が発生したとのこと。
コンウェイ氏は明確に「1984年」について言及したわけではないのですが、 CNNの討論番組でWashington Postの記者が「『Alternative Facts』はジョージ・オーウェルのフレーズだ」と述べたことや、別のCNNの番組で政治史学者のアラン・リヒトマン氏が「これは『1984年』の『二重思考』につながります」と言及しています。その後Twitterでも「Alternative facts」がトレンドワードに上がったことなどが、「1984年」の売上の上昇に影響したと見られています。
なお、CNNは「1984年」が多くの学校で必須教材とされていることから、トランプ新大統領チームの発言だけでベストセラーになったわけではないと予想しています。
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