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新型MacBook Proが「オススメできない」と言われる理由はバッテリーにあり

By iphonedigital

2016年10月27日に発表された新型「MacBook Pro」は、使用状況に合わせて変化する新しいインターフェースの「Touch Bar」やUSB-CとThunderbolt 3をひとつにまとめた最大40Gbpsのデータ転送が可能なポートなど、これまでにない特徴を複数搭載しています。そんなMacBook Proに「オススメできない」というレビューが下され、大きな話題となっています。

Apple working with Consumer Reports to pin down inconsistent MacBook Pro battery test results - The Verge
http://www.theverge.com/2016/12/24/14074654/apple-consumer-reports-macbook-pro-battery-test


12月22日、製品評価・レビューを公開している非営利の消費者組織であるコンシューマー・レポートが、Appleがリリースした最新のMacBook Proに対して「最新のMacBook Proはオススメできない」という評価を下し、物議をかもしました。

コンシューマー・レポートがこのような厳しい評価を下した理由は単純で、「新型MacBook Proのバッテリーテストの結果がひどく一貫しなかったため」としています。なお、コンシューマー・レポートがMacBook Proで行ったバッテリーテストはとても一般的なもので、ウェブページを開いてバッテリーがどれくらいの時間もつかを調査するというもの。

コンシューマー・レポートはバッテリーテストの詳細について、「バッテリーテストでは端末のバッテリーがフル充電されている状態で10個のウェブページを連続して開き、ラップトップ(MacBook Pro)の電源が落ちるまでの時間を計測しました。バッテリーテストで開くウェブページは我々の研究所のサーバーに保存されているものを用い、テスト用に特別に設置されたWi-Fiネットワーク経由でウェブページのデータを端末に転送しています。なお、我々はバッテリーテストを端末のデフォルトのブラウザで行っており、MacBook Proの場合はSafariを用いてテストしました」と語っています。

By andreas hagerman

コンシューマー・レポートが行ったバッテリーテストでは、13インチのTouch Bar搭載モデルのMacBook Proは、最初に16時間、2回目のテストでは12時間45分、3回目ではなんと3時間45分を記録。13インチのTouch Bar非搭載MacBook Proでは、最初に19時間30分、2度目で4時間30分を記録。15インチのMacBook Proは1度目で18時間30分、2度目で8時間を記録したそうです。このように、バッテリーテストの結果がテストの回数を重ねるごとに劇的に悪くなっていったため、コンシューマー・レポートは「なぜバッテリーテストの結果があれほどまでに一貫しないのかを知るまでは、最新のMacBook Proを購入することはオススメできない」という評価を下したわけです。

コンシューマー・レポートが最新のMacBook Proに対する評価を公開した翌日の12月23日、Appleのワールドワイドマーケティング担当上級副社長を務めるフィル・シラー氏は「(コンシューマー・レポートのバッテリーテストの結果は)我々が研究所内で行った大規模なテストや現場データと一致しません。我々は現在、コンシューマー・レポートと協議中です」とツイート。

Working with CR to understand their battery tests. Results do not match our extensive lab tests or field data. https://t.co/IWtfsmBwpO

— Philip Schiller (@pschiller)


AppleがリリースしたばかりのMacBook Proは、価格やプロセッサーなどさまざまな理由から、消費者に受け入れられていないところがあります。そして、コンシューマー・レポートのバッテリーテストを踏まえれば「MacBook Proの悪いところリスト」にバッテリーという項目を加えることもできる、と海外ニュースメディアのThe Verge。

なお、MacBook Proのバッテリーに関する報道はさまざまなものがあり、Bloombergは「Appleは本来はより先進的な技術を用いたバッテリーをMacBook Proに採用する予定だったが、従来のものを使用しなくてはいけなくなってしまった」と報じており、「AppleはmacOSの新機能から『バッテリーがあと何時間もつか?』を表示する機能を削除した」というもあります。「要するに、コンシューマー・レポートのバッテリーテストの結果は何もない場所から起きたものではない」とThe Verge。つまり、Appleは元々MacBook Proのバッテリー性能を危惧していたのではないか、と指摘しているわけです。

By salchuiwt

問題はコンシューマー・レポートのバッテリーテストが信頼できるものなのかどうかという点ですが、コンシューマー・レポートは「我々は毎年何百台というノートPCをテストしており、テストはすべて高度に管理された条件下で同一の手順で行われます」とコメントしています。また、Apple関連のニュースを報じる9to5MacによるMacBook Proのレビュー記事まとめでも多くのレビュワーが「MacBook Proのバッテリーは一貫しないことに疑問符を付けている」とのことです。

The Vergeは「バッテリーテストの結果が一貫しないことが真実であるにしろウソであるにしろ、MacBook Proがテスト結果により評価を下げるにしろ、ソフトウェアに欠陥があるにしろハードウェアに欠陥があるにしろ、不運にも私たちはそれらを断定することはできません」とコメント。しかし、この一貫しないバッテリーテストの結果から「MacBook Proのバッテリーについては今後も調査する価値がある」と記しています。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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