自動運転車によるドライバーレスなレース「Roborace」の開発車がついにサーキット周回実験を公開
大手自動車メーカーやGoogleなどのハイテク企業によって自動運転車の開発競争が行われていますが、開発競争はレースの世界でも盛んです。ドライバーのいない自動運転車によるレース「Roborace」が、プロジェクト発表から約1年経った2016年11月12日についにサーキットでの無人走行試験を衆人環視の下で行いました。
Roboraceの開発車両「DEVBOT」が、ドライバーレスでサーキットを爆走する様子は以下のムービーで確認できます。
Inside Roborace — Episode 3 - YouTube
モロッコのマラケシュでRoboraceの自動運転モードの走行試験が行われました。
マラケシュのハッサンサーキットが舞台。
「ついに無人のRoboraceマシン『DEVBOT』がサーキットを走行します。これは歴史的な出来事です」と語るのは、Roboraceプロジェクトのマーケティングトップのジャスティン氏。
まずは、ドライバーを乗せた状態での自動運転モードのテスト。基本的にドライバーは運転操作を行わず、危険な状態に陥った場合に緊急的にDEVBOTを制御するのみです。
「自律運転モード」をON。
ドライバーはハンドルから手を離しつつ、ハンドブレーキやロールバーにしっかりとつかまって準備が完了。
「ドン」と音を立ててDEVBOTがスタートしました。
遠くから聞こえてくるDEVBOTの走行音に「数秒で来るぞ」とジャスティン氏は興奮気味。
快調に走行するDEVBOT。
ドライバーを乗せたテスト走行は無事成功しました。
「明日はさらに重要な一日になります」と話すのは、技術部門トップのブリン氏。
翌日行われたドライバーを乗せない無人走行のテストは、多くの関係者が立ち会う中で公開されました。
世界初となるDEVBOTによるサーキットの無人走行試験は、フォーミュラE関係者や地元の一般人、テレビ局のクルーなど多くの人が見守る中で行われました。
コース上でそのときを待つDEVBOT。もはやドライバーは乗っていません。
スタッフが緊張の面持ちで見守る中……
グリーンランプが点灯。
DEVBOTがスタートしました。
ピットロードでは、自動的に制限速度をキープするように速度が制御されています。
デニスCEOは「個人的にエキサイティングです」と興奮を抑えきれない様子。
コースに入ったDEVBOTは徐々にスピードを上げていきます。
もちろんコックピットにドライバーはなし。
自動的にステアリングが回転してコーナーをクリアーしていきます。
1周目が終了。
コースサイドから拍手が送られます。
4周目終了。
「最速タイムだ」
全開ラップの10周を含む、全12周の走行試験は見事に成功に終わりました。
「今日のテストの成功はRoboraceにとって記録的な出来事です」
「2015年11月26日にRoboraceプロジェクトを発表しました。今日は2016年11月12日。1年経たない間にここまで到達したのです」と、ジャスティン氏はRoboraceプロジェクトに手応えを感じている様子。
見事に無人でのサーキット走行を成功させたDEVBOTの開発はさらに続いてきます。Roboraceは電動のF1「フォーミュラE」の2016/2017年シーズンに合わせてレースが行われる予定で、予定通りに行けば2017年夏までにRoboraceが開催されそうです。
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