世界の果物(フルーツ)を食べ回って導き出したある結論
ドリアン、マンゴスチン、ドラゴンフルーツなどトロピカルフルーツが並ぶ東南アジアの市場。オーストラリアではワーキングホリデーでスイカとメロンの収穫もやりました。ヨーロッパ走行中のお気に入りはモモそっくりのネクタリン。バナナ、マンゴー、パイナップルという西アフリカの3種の神器的なフルーツ。訪れた場所の数だけフルーツの思い出があります。
こんにちは、150カ国の世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。旅の疲れも吹き飛ぶ甘い甘いフルーツ。かぶりついては口のまわりをベトベトにしていました。日本では見かけないような珍しいフルーツもたくさんありました。
◆フルーツ天国
結論1:世界のフルーツがほとんどタイにある
旅後に「世界のフルーツ」という記事を書く構想はありました。ぼちぼちと集めていたのですが、旅の最後の最後に訪れたタイにほとんどあって驚愕。気候に恵まれて多種多様なフルーツが市場に並んでいました。鮮やかな色だけでなく、ランブータンやドラゴンフルーツといった異形のフルーツもあって南国の生存競争の激しさを実感。過去に口にしたフルーツも改めてタイで食べ直しました。
ドリアン以外は北部のチェンマイの市場にあったフルーツです。2016年6月~7月に約1ヶ月ほどチェンマイに滞在していました。タイにはこれだけのフルーツが揃っています。
・ドリアン
纏うと凶器にもなりそうなトゲトゲとした果皮。こちらがフルーツの王様として名高いドリアンです。強烈な臭いを発することから公共交通機関やホテルの客室には持ち込み不可だったりします。
道端に屋台が出ていたので試してみました。臭いの件もあるのでその場で立ち食い。
パックを破くと構えていたほどには臭いません。酸味のない甘い果肉。プリンにも似たクリーミーな舌触りでした。ただ、ところどころ少しざらつきあり。王様といわれるだけあって他のフルーツとは別格。でも、味が濃いので毎日は無理です。特別という感じのフルーツでした。
・パラミツ(ジャックフルーツ)
ドリアンを知らない頃にドリアンだと思ったフルーツがこちら。大仏くらいに巨大な果実が幾つも木にぶら下がっていました。
こちらもパックで購入しました。ベタベタとした果肉には種を除いた空洞が残ります。多肉質でプルンとした果肉は、焼いたリンゴもしくはマンゴーの漬物ソンタム(ソムタム)のような食感。一口目は控えめな甘さという印象ですが、噛めば噛むほど果肉から甘味が染み出します。甘酸っぱい匂いを放っていました。
・ランブータン
日本だと見慣れないランブータンは、引き込まれるような鮮やかな赤色をしていました。毛むくじゃらで得体の知れない形をしています。
半透明の果肉はプニプニした弾力がありました。甘さは控えめでこんにゃくゼリーをちょっと柔らかくしたような食感です。口元に近付けると甘い匂いがほのかに香ります。
・ライチ
ライチは日本でも知っている人は多いはず。その果実は枝先からぶら下がるような感じで実ります。枝ごと収穫すると日持ちするようで、タイでは枝ごとに束ねて販売していました。タイ以外だとバングラデシュで口にしています。
こちらもプリっとした弾力のある果肉。かぶりつくと閉じ込められていた果汁が口の中いっぱいに広がります。甘味と酸味の合わさった上品な味。香水にも似た心地よい香りがしました。中国の楊貴妃のお気に入りという逸話もある由緒正しきフルーツです。
・サラク
こちらも日本では見かけないフルーツで、サツマイモを小さくしたような形をしていました。果皮にはイチゴのような産毛があります。
ツルッと簡単に手で果皮が剥けます。果肉は2つにパカっと分かれる感じ。薄皮に包まれた果肉はベタベタしません。でも中身はジューシー。パイナップルのような酸味とネクタリンのようなみずみずしさを併せ持つフルーツでした。ほんのちょびっとですが「足裏のような匂いがする」という欠点あり。
・釈迦頭(バンレイシ)
こちらもトロピカルフルーツで日本では見たことがありませんでした。名前は釈迦(大仏)の頭の螺髪(らほつ)に似ていることから。タイ語だとノイナーと呼ぶらしいです。果実は潰れやすいので持ち運びには十分気をつけましょう。
弾力のある杏仁豆腐のような滑らかな舌触り。ほのかな酸味と上品な甘さからフルーツではなく洋菓子を食べているような気にさせられる逸品。
・パイナップル
パイナップルは熱帯地域でよく見るフルーツです。日本でも沖縄で栽培されています。アフリカでもよく食べていました。タイにも山のようにパイナップルがありました。
こちらもパックで購入。まるごと買うこともできますが処理が面倒なのでお勧めしません。果肉は繊維質で多汁。爽やかな酸味の混じった甘さはくせになります。ただし、食べ過ぎると口を痛めるので注意が必要。写真のパイナップルには塩が振ってあって、スイカのように甘さが引き立てられていました。
・ザボン(ブンタン)
ボーリングの玉のような巨大な果実がゴロゴロと無数に転がっていました。
ずっしりとした重さを感じる一玉。柑橘類の王様といっても過言じゃありません。
果実を半分に切るとこのようになりました。ここから皮を剥いていくのが非常に大変です。皮が分厚くて、「剥く(むく)」より「剥ぐ(はぐ)」という表現の方がピッタリということで、煩わしさが伝わるでしょうか。こちらもパックを買う方が楽です。
できあがったのがこちら。果肉は果汁が少なく、粒の1つ1つに主張してくるような弾力があります。そのままだと少し苦いので塩、砂糖、唐辛子がブレンドされた魔法の粉をふりかけて食べるのがおすすめです。さっぱりとしたフルーツでした。
・マンゴー
マンゴーはアフリカ、特に西アフリカで食べ飽きたので、それ以降は敬遠していました。タイにも普通に置いてあります。そういえば海外で初めてマンゴーを食べたのは同じ東南アジアのインドネシアした。
タイには「カオニャオ・マムアン(モチ米とマンゴー)」という料理がありました。マンゴーって自分で食べると大変なんですよね。アフリカだと手も口周りもベトベトになるので水がないと駄目でした。でも、この料理なら食堂で一口サイズに切ってくれるので、澄ました顔でマンゴーを口にできます。太陽の恵みを閉じ込めたかのような甘さ、口の中で溶けていくような舌触り、久しぶりのマンゴーだったのですが、かなり衝撃を受けました。
気に入ったので別のお店でもう1回。ココナッツミルク、砂糖、塩で炊き上げたモチ米はクリーミーな味わい。デザートですが、朝食にも昼食にもなりそうな料理でした。
・ドラゴンフルーツ
こちらも日本だとあまり流通していないフルーツです。サボテンの花の後にできる果実だったりします。
果肉はキウイと似ています。でも、キウイよりはシャリシャリとした食感でした。申し訳程度のほんのりとした甘さ。あっさりとしたフルーツです。
・パパイヤ
市場のおばちゃんが「これがアロイ(美味しいよ)」と選んでくれました。ちょっと変な臭いもするので苦手でしたが、プロが選んだパパイヤは嫌な匂いが全然しません。
マンゴーをより柔らかくしたような果肉。過ぎることなく足りぬことなく、程よい甘さのフルーツでした。
・マンゴスチン
果肉は厚い殻のせいで少ししか詰まっていません。ウニのようでした。ミカンのように果肉はバラバラになります。ふんにゃりとした果肉はとろけるようにクリーミーな舌触り。甘味と酸味のバランスが絶妙。果物の女王と呼ばれるだけの上品な味でした。
・ローンコーン
かつて食べたリュウガン(龍眼)のつもりでしたが、ローンコーンという別のフルーツでした。果皮はイチジクのように手で剥くことができます。ミカンのように果肉は房で分かれます。程よい甘味と酸味が利いたフルーツでした。
・グアバ
岩のようにゴツゴツとした外観。果肉はナシのようにシャリッとしていますが、ナシよりは実が詰まっていました。ナシとリンゴの中間という食感。控えめな甘さのフルーツ。
・チョンプー(ローズ・アップル)
ピーマンのような見た目をしたの赤い果実です。ピーマンと違って中身はぎっしり詰まっています。梨のようなシャリシャリとした食感と、パプリカのような甘味が合わさったフルーツでした。
・ブドウ
これもタイにあって驚いたフルーツ。皮ごとそのまま食べられます。口に入れるとパツンとした弾力ある果肉で、日本のブドウとは違った感じでした。「トンプソン(Thompson)」という名前でしか知らないのですが、海外でよく見かけていました。
・チェリー
チェンマイのワローロット市場で購入。いつもはそこにいないおばちゃんが売っていました。濃い赤紫色のアメリカンチェリーという種類になるみたいです。タイの人がチェリーを作っているのも意外でした。ただ、肝心の味がイマイチ。薬品のような苦さには顔をしかめてしまいます。
・ミカン
オレンジと違って、日本が懐かしくなるのがこのミカンでした。道具を使わなくていいのは便利。ただ、海外のミカンは当たりハズレが激しかったり、実に種が入っていたりと品質はそれなりです。
他にもスイカやメロンもありました。世界の珍しいフルーツを食べたいと思ったら、まずはタイに行ってみるのをおすすめします。
◆タイ以外で口にしたフルーツ
・リンゴ
海外のリンゴは日本より一回り小さいサイズが多かったです。ただ、海外の方がお手軽な値段。日本が原産の「Fuji」という品種は海外でも人気のようでした。果肉に蜜ができたりと強い甘味が特徴。「Royal Gala」「Pink Lady」もよく食べていました。「Red Delicious」はハズレが多かったので敬遠。「Granny Smith」は青りんご。
・オレンジ
国内産のミカンとの対比で、どうしても異国のフルーツとなってしまうのがオレンジです。旅の中ではリンゴと並ぶ食後のデザートでした。折りたたみナイフで4等分にして皮の両端を掴んでムシャリ。口の中が熟々した果汁でいっぱいになります。甘味とほどよい酸味が混ざったフルーツです。
・バナナ
小腹が空いたときの行動食として重宝していたのがバナナです。先進国でも安く手に入るので助かります。ヨーロッパやアメリカではエクアドル産のバナナが多かったです。すぐ食べることができるように、このような感じで荷台に載せて走ることもありました。
海外では日本で見慣れない胴長短足のバナナも売っていました。私たちがよく口にする通常のバナナと違って、目が覚めるくらいに甘味の強いバナナです。だからといって、現地で高級品という訳でもなく地元民も普通に口にしています。写真のバナナはアフリカのギニアで手に入れました。この1房で約40円でした。
・モモ
かぶりついた瞬間にあふれる濃厚な果汁。重量感のある果肉はたまりません。日本にいたときからお気に入りのフルーツでした。
・ネクタリン
ネクタリンは果皮に産毛がないモモのようなフルーツ。似たような食感。ただ、ネクタリンには適度の酸味があります。桃は抵抗あったのですが、ネクタリンは皮を剥かずにそのまま食べていました。
・イチゴ
海外だとそこまで値段しないので、いちご狩りに行かなくても思う存分いちごを食べることができました。市場で見つけるとニンマリとしてしまうフルーツ。写真は南米のエクアドル。他にもメキシコ、チュニジア、オーストリアなんかで食べています。
・ブラックベリー
南米のボリビアで売っていました。ベリー系はストロベリー以外は値段がするのでなかなか手にしません。ボリビアだと安かったのですが、可もなく不可もなくで特に思い出なし……。
・ラズベリー?ヤマモモ?
ネパールの道端でゲットしたのはラズベリーだと思っています(読者からはヤマモモではないかと指摘あり)。自然に近い味でなかなか厳しいものがありました。
・パッションフルーツ
ゆで卵の殻のような感じで皮が剥けました。中には蛙の卵のような果肉が詰まっているのでスプーンで掬って頂きます。口の中がフワフワしてしまう不思議な果肉。中の種も一緒に食べました。南米のコロンビアで「グラナディリャ(granadilla)」という名前でした。
・パッションフルーツ
こちらもパッションフルーツなのですが、スペイン語だと「マラクジャ(Maracuja)」という別の名前でした。同じコロンビアで購入。グラナディリャとは違って果実も果肉もジュクジュクとしています。中身もかなり酸っぱかったです。
・洋梨
日本とは違うひょうたん型のナシ。めったに出てこなかったのであんまり思い出がありません。
・スイカ
オーストラリアの農場で嫌になるほど口にしたのでそれ以降は敬遠。水分の塊のような赤い果実。
・メロン
こちらも農場で収穫していました。日本だと高級フルーツですが海外だとそうでもありません。
・カキ
日本の秋の風物詩ともいえるカキ。日本の「裏側」にあるブラジルにもありました。
・ザクロ
中央アジアのウズベキスタンで手にしました。宝石のような色をした粒が食用なんですけど、芯が残って食べきれなくて手こずった記憶があります。
・ペピーノ
南米のペルーで見かけた珍しいフルーツです。ナスの仲間になるのですが、メロンのような味がしました。
あとプラム、キウイ、メロン、ロンガンあたりは口にしています。スターフルーツ、イチジク、アプリコット、チェリモヤなどは食べる機会に恵まれませんでした。
結論2:海外のフルーツは値段が安い
海外のフルーツは途上国、先進国問わず、そこまで高くありません。物価の高い先進国でもキログラム単位で値段が付く国が多く、日本のフルーツの高さは群を抜いていました。ただし、品質は日本のフルーツを推します。リンゴにしても、日本ほど大きな実が流通している国は知りません。日本と海外で同じフルーツを食べ比べるような企画も楽しそうですね。
◆フルーツのある生活
こうして振り返ってみても、旅にフルーツは欠かせませんでした。
泥まみれとなったメロンとスイカ農場の思い出。
オーストラリアではブドウの農場でも働きました。ブドウ食べ放題でした。
ココナッツの実もフルーツでしょうか。ジュースを飲み干したあとに殻を割って、白い部分もスプーンで食べていました。
インドネシアで食べたパッションフルーツ。
こちらはロンガン。
笑えるくらい大量のパラミツを積んでいた乗用車。カンボジアの市場で見た光景です。
ベトナムの市場のこれもフルーツっぽい……。これは食べていません。
大量のミカン、オレンジを差し入れてくれるイラン人の優しさ。
モルドバのホームステイ先にあったチェリーの木。出発前には袋いっぱいのチェリーを渡されました。
モロッコで手に入れたイチゴ。
西アフリカのマリはマンゴー天国でした。
パパイヤは南米でも食べています。
エクアドルは産地だけあって、見たこともない巨大なバナナが売られていました。
南アジアのモルディブでみつけたハラフルーツ。
バングラデシュの道端でパイナップルを売る青年。
◆世界のフルーツ市場から
無造作に積まれたフルーツの山が並ぶオーストラリアの市場。値段は1kgの表記。自分でフルーツの良し悪しを選んで量り売り。日本の個数売り、パック売りとは全く違っていました。
セルビアの首都ベオグラードの市場。かつて社会主義だった旧ユーゴスラビアの構成国だけあって整然、かつ落ち着いた感じの場所です。
その色とりどりの光景にどうしても写真が撮りたくなったペルー。
太平洋の島国・フィジーの市場
種類も量も豊富だったタイのフルーツ屋さん。
海外にはこれほどまでに多種多様なフルーツが存在しています。日本でも海外でも機会があったら試してみるのはいかがでしょうか?このようなフルーツ記事じゃないですが、生きている間に世界のフルーツを食べ尽くすとか絶対楽しくなりそうです。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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