レビュー

自宅で美しくも過酷なエベレスト登頂を体験できる「EVEREST VR」プレイレビュー


VRヘッドセット「HTC Vive」のハンドコントローラーを使って、自宅にいながらにしてあのエベレスト山脈の登頂チームに加わり、吹雪舞う過酷な雪山でハシゴを登ったり、ピッケルやカラビナを駆使してかなりリアルな登山体験を可能にするVRゲーム「EVEREST VR」をプレイしてみました。NVIDIAが開発協力を行っており、NVIDIAのGeForce GTX 1080などのグラフィックボードの性能を余すことなく発揮できる美しいグラフィックで恐るべき没入感を体験可能です。

Steam:EVEREST VR™
http://store.steampowered.com/app/384750/


EVEREST VRがどんなゲームなのかは、以下のムービーを見るとサクっと理解できます。

部屋の中でエベレスト登頂を体験できる「EVEREST VR」はこんな感じ - YouTube


◆EVEREST VRのチュートリアル
EVEREST VRをスタートすると、エベレスト山脈のジオラマのような場所が映し出されます。ここはメインメニューになっており、ゲーム内でプレイできるいくつかの登頂ポイントが表示されています。


最初は「Basecamp(ベースキャンプ)」以外のポイントがロックされていてプレイできません。まずはコントローラーから出ているビームをベースキャンプの円に当ててトリガーを押すとゲームを最初からスタートすることができます。


ベースキャンプの章はチュートリアルから始まります。人さし指で操作するコントローラーの「トリガー」は、押すと何かをつかむことができ、離すとつかんでいる物を離すことができます。


親指あたりにある「トラックパッド」を押すと……


コントローラーから「移動ビーム」が出力されます。トラックパッドを押しながら移動したい場所にビームを当てて、トラックパッドを離すとその場所に瞬間移動します。


ボタンをカチカチ押してチュートリアルを進めていくと、ピッケルが目の前に出現。ピッケルの近くに手(コントローラー)を持っていき、トリガーボタンを押すと……


ピッケルを持つことができました。トリガーを押している限り、ピッケルを持ったまま振ったりでき、トリガーを離せば投げたりすることが可能。


次は目の前に2本のロープが出現。ロープに設置されているアッセンダー(スライドする器具)を両手でつかみます。


アッセンダーを交互にスライドしていくと、実際に足は動かしていないものの、ゲーム内では前進していきます。


命綱として2本のロープが腰からカラビナで固定されています。


そのうち片方のカラビナを外して……


前進した先にカラビナを取り付けます。これにより足場が崩れたりしても、滑り落ちずに済むようです。


これはハシゴのチュートリアル。現実でハシゴに登るようにハシゴをつかんで……


交互に手を進めていけば、実際に上に登っているわけではないのですが、ゲーム内では体が上がっていき、本当にハシゴを登っているような感覚に襲われます。


人物に丸いアイコンが出現している時は、手を振ればコンタクト可能ということ。手を振ると手を振り返すなどのアクションが返ってきて、ストーリーが進展していきます。これでチュートリアルは終了。


◆エベレスト登頂隊のベースキャンプを散策
チュートリアルが終わるとエベレストっぽい風景がヘッドセット内に映し出されるのですが、仮想現実内の切り取られたスクリーンに表示されています。「まさかこういうグラフィックなのか……?」と困惑していると……


視界いっぱいにエベレスト山脈が映し出されました。画像とムービーはHTC Viveの片眼の映像を出力したものですが、HTC Viveを装着している人には360度全ての視界にエベレスト山脈が広がっています。


真後ろを向いても、一面の雪景色。


どうやら鳥のようにエベレストの上空を飛んでいるようで、ベースキャンプが見えてきました。地面まで距離があるので高所恐怖症の人は立っていられないかも。


というわけで標高5330メートルのところにあるベースキャンプに到着。


そこら辺にある缶など、好きなものを手にとることができます。


出発準備をするのかと思い、バックパックを持ち上げます。バックパックはつかんでから背中に回すと手から消えて装着したサウンドが流れ、装着できている模様。


ヘルメットも頭に当てる感じで近づけると、装着音が聞こえました。非常に直感的な操作が可能であることがわかります。


登山用スパイクを持ち上げてみたものの、足はコントローラーのようにトラッキングされていないので、どうすればよいのかわからず。


足元に置いて履こうとしてみましたが、特に何も起こらないようでした。


お椀を見つけて持ち上げると中に入っていたクラッカーをぶちまけてしまいました。


せっせと拾って元に戻すなどの操作も可能。


プレイエリア内なら実際にプレイヤーが歩いたりしゃがんだりすることで移動できるのですが、移動ビームでひとっ飛びしてもOK。


ピッケルを見つけたので岩に刺してみると「カン」と音が鳴り、まるで本当にベースキャンプにいるような錯覚に襲われます。


フリスビーを発見したのでトリガーボタンで拾って……


本当にフリスビーを投げる感覚で振りかぶって、ちょうどいいところでトリガーボタンを離すと、うまい具合にチームメイトに直撃してしまいました。


一通り見てまわると、男性が呼びかけてくるので手を振って応答すれば「ベースキャンプ編」は終了。


実際にベースキャンプを探検している様子は以下のムービーから見ることができます。

部屋の中でエベレスト登頂を体験できる「EVEREST VR」でベースキャンプを探検 - YouTube


◆Khumbu Icefall(クンブ氷瀑)
ベースキャンプ編から自動的に標高5500メートルのクンブ氷瀑(ひょうばく)編がスタート。目の前にはクレバス(氷河の裂け目)を通過するためのハシゴが渡されています。


向こう岸の仲間はカタコトの英語で「アッセンダーをつかんで来い。安全だから信じて」と言われています。


実際にアッセンダーをつかんで交互にスライドすると前進していくのですが……


下を見ると仮想現実とわかっていてもかなりのタマヒュン映像。実際には床があるとわかっていてもゆっくり渡ってしまいます。


渡った先ではハシゴが垂直に立てかけられていました。


両手でハシゴをつかんで登っていく感覚はかなりリアル。何やら「ゴゴゴゴゴ」と謎の轟音が聞こえてくるのですが……


突如としてハシゴの隣で落雪。


大量の氷がクレバスのはるかかなたに落下していき、心臓がバクバクしてしまいます。


反対側を見ると仲間が見えるのですが、あれだけのことが起きたにもかかわらず無関心の極み。


はしごで両手を離しても落下はしない模様ですが、自分が空中にいる感覚なので恐怖を感じます。


上に登りきると自由に移動してエベレストの景色を堪能できます。足場スレスレに立ってスリルを味わうのも良し。


特に反応はしてくれませんが、チームメイトとスキンシップをとってもOK。キャラクターの横に立つと、身長170cmの自分よりかなり大きく、「背の高い外国人が隣に立っている」というリアルな感覚を味わえました。


クンブ氷瀑に挑む緊張感あふれるシーンは以下のムービーから見ることができます。

部屋の中でエベレスト登頂を体験できる「EVEREST VR」で恐怖の登山体験その1 - YouTube


◆South Col(サウスコル)
標高7900メートルのサウスコルの到着すると、視界が真っ白。


吹雪がおさまると視界が開けてキャンプしていることがわかりました。


もはや人間の限界を超えた標高なので、チームメイトは酸素マスクを装着しています。


テントの1つが開いていたので、中に入ってみます。


ここは移動ビームで入れないので、本当に室内で四つんばいになって入り込む感じになり、あたかもテントに入っているような感覚になります。


一休みすると前にファスナーのようなものが浮かんでいました。


外から声が聞こえるのでチャックをつかんで開くと……


夜のエベレストに広がる満点の星空。


圧倒的な美しいグラフィックに息を飲んでしまいます。


◆Hillary Step(ヒラリーステップ)
ここはネパール側ルートの最後の難関と言われる「ヒラリーステップ」。標高は8800メートルで、頂上の8848メートルまで目前のポイントです。


足の幅ほどしかない崖を渡るようで、腰からはカラビナがついています。壁沿いに貼られたロープを頼りに向こう側のポイントまで歩き、カラビナを渡しに行きます。


カニ歩きで進みながら下を見るとこんな感じ。落ちたら確実に命はありません。


なんとかカラビナを目的ポイントに設置することに成功。


続いて切り立った崖を登るため、ロープとアッセンダーで登っていきます。


真下を見るとこんな感じ。仮想現実ながら、エベレスト登頂の尋常ならざる険しさが体感できるポイントとなっています。


登り切った後は自由に移動できるのですが、後から仲間が遅れてやってくるなど、細かい演出がなされています。


ヒラリーステップを突破している様子は以下のムービーから見ることができます。

部屋の中でエベレスト登頂を体験できる「EVEREST VR」で恐怖の登山体験その2 - YouTube


最終的にエベレスト山脈の頂上に到達するところでストーリーモードが終了となり、30分~40分ほどでクリアすることができます。何か操作を間違えても死ぬことはないため、ヘビーゲーマーには物足りない内容かもしれませんが、本当に体を動かすアクションの数々により、初めてのプレイだと存分にViveの性能を活かしたVR体験を楽しむことができました。なぜかピッケルを使うシーンがなかったので、今後アップデートなどで追加されるのかも。その際は難易度の高いポイントなどが追加されるとさらにゲームの完成度がアップすることは間違いなしです。

なお、EVEREST VRはSteamで2480円で販売中です。

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in レビュー,   動画,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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