ポケモンGOを外に出ずイスに座ったままプレイ可能になるGPSハッキングムービー

世界的に大旋風を巻き起こしているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(Pokémon GO)」は、GPSを使ってユーザーの位置情報を測定し、現実世界を歩き回ってポケモンを捕まえたりバトルしたりして遊ぶゲームです。「現実世界を歩きまわる」という行為がゲームの中心に据えられているポケモンGOですが、スマートフォンのGPSをハッキングして外に出ないままゲーム内のプレイヤーだけを歩き回らせてポケモンGOをプレイする、という猛者が現れました。

POKÉMON GO: UNBELIEVABLE GPS HACK - YouTube

スマートフォン専用ゲームのポケモンGOは、ユーザーの位置情報をもとに、ゲーム内でポケモンを出現させたりアイテムを出現させたりします。

なので、「ちょっと外行かない？」といった具合にポケモンGOをプレイし始めたことで外出する頻度が増えた、という人もいるはずです。

しかし、外はあいにくの雨で……

これでは思う存分ポケモンGOを楽しむことができません。

そこで、ムービー中のプレイヤーたちは雨が降ろうと雷が鳴ろうと、どんな天候でもポケモンGOを思う存分楽しむ方法を考え始めます。

ポケモンGOを外出せずに思う存分楽しむために用意したのは、偽のGPS信号を発信するための信号発生器Rohda＆Schwarz SMBV 100A Vector Signal Generatorと……

無線電波を遮断するためのR＆S CMW-Z10 RF Shield Box。さらにGPSアンテナもあります。

その他、u-blox製のEVK-M8評価キット

RF分配器

USBケーブル

RFケーブル。以上7点が使用されます。

これらをセットアップするとこんな感じ。R＆S CMW-Z10 RF Shield Boxは電波を遮断するためのもので、この中にスマートフォンを配置することでGPS信号を1度遮断します。そして、信号発生器を用いてスマートフォンの実際の位置ではない場所でGPS信号を受信しているかのように偽装するようです。

続いてソフトウェア面のセットアップで、使用するのは主に3つのソフトウェア。画面左にはGoogle Earthが開かれており、これでゲーム内のプレイヤーが現実世界のどこを歩いているのかを確認します。そして、画面右上のジョイスティックコントローラーは、スマートフォン内のプレイヤーをジョイスティックを使って操作するためのもの。右下のVNC Signal Generator Remote Controlは、GPS信号を偽装するためのもの。

動画上でジョイスティックを倒すとスマートフォン内のプレイヤーがマップ上をテクテク歩き始めます。もちろんスマートフォンはR＆S CMW-Z10 RF Shield Boxの中に置かれたままで、スマートフォンを持って外を歩き回ることなくゲーム内のプレイヤーを動かすことに成功しています。

街の中にあるポケストップでアイテムを回収したり……

野生のポケモンをゲットしたりもできます。

作成されたカスタムソフトウェアは、ポケモンGOの特性からゆっくり歩く速度でGPS信号が移動するように設定されています。

ムービーではポケストップでアイテムを回収したりポケモンをゲットしたりして最終的にトレーナーレベルが上がりました。

このGPSハッキングに対して海外ニュースメディアのThe Vergeは、「プログラミングのスキルと信号発生器やRFシールドボックスなどの一般人が持っていないであろう機器を用意する必要がある」と、難易度の高さを指摘しています。また、より重要な部分としてゲームのチートは開発元のNianticによる利用規約に違反しており、明らかになればBANされる恐れがあるとしています。

なお、ムービーを公開したjdsikaさんはGPS信号を偽装するための装置の設計図を公開しています。