イギリスのEU離脱でDellが製品価格の値上げを発表、HPも値上げの可能性アリ

by Philip Schatz

イギリスの「EU残留か離脱か」を問う国民投票で離脱派が勝利したことにより、イギリスの通貨であるポンドが下落しています。これを受ける形で、Dellが製品の値上げを発表しました。

Dell confirms price rise post Brexit vote as UK pound stumbles - The Register
http://www.theregister.co.uk/2016/07/05/dell_confirms_price_rise_post_brexit_vote_as_uk_pound_stumbles/

イギリスの国民投票でEU離脱派が過半数を超えたことで、景気悪化の懸念から、イギリスポンドは国民投票前と比べて10％以上も下落しています。ポンドドル相場は、7月6日に一時1ポンド1.3ドルとなり、31年ぶりの安値となりました。

英ポンド、対ドル３１年ぶり安値＝ＥＵ離脱で景気悪化懸念：時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016070500788

ポンド下落を受けて、Dellは製品価格を全面的に10％程度値上げすることを発表しています。Dellの広報担当者によれば、「我々は顧客と提携パートナーのために、値上げについて熟考しています。過去数カ月にわたり、イギリスの国民投票の結果が出るまでの間、値上げを延期するために真剣に取り組んできました」とのこと。

通貨の問題は、テクノロジーサプライヤーの間では2015年から既に問題となっていましたが、イギリスのEU離脱問題でさらに悪化したものとみられます。Dellでは製品に使用する部品をアメリカドルで購入しているため、ドル高ポンド安に伴って、イギリスでの販売価格を値上げせざるを得ないとのこと。また、Dellの広報担当者は「イギリスでビジネスするには、今は不安定な時期です」と言及しています。

by David Precious

さらには、Dellのライバル会社のひとつであるヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)およびHP Inc.も、製品を値上げする可能性があるとのこと。HP Inc.の広報担当者は、「HPでは、イギリスのEU離脱問題がビジネスや経済に与える影響を注意深く見定めています。一方で、従業員、顧客、提携パートナーをサポートするため毎日の業務に積極的に励んでいます」と回答。HPEの広報担当者は「HPEは、他の国際企業と同じく、為替レートと通貨変動に基づいて価格を調整します。価格を変える際には、常に提携パートナーや顧客に通知します」と語っています。