ハードウェア

世界最小、注射針に収まるほど超極小のマイクロレンズが3Dプリンターで出力可能に


3Dプリンターを使ってわずか100マイクロメートルという髪の毛より細い極小マルチレンズを出力するという技術を、シュトゥットガルト大学などを含むドイツの研究チームが発表しました。

Two-photon direct laser writing of ultracompact multi-lens objectives : Nature Photonics : Nature Publishing Group
http://www.nature.com/nphoton/journal/vaop/ncurrent/full/nphoton.2016.121.html

3D printing enables the smalles complex micro-objectives
(PDFファイル)http://www.pi4.uni-stuttgart.de/downloads/press/press_release_microoptics-20160627.pdf

3D-printed device could make surveillance cameras twice the width of a human hair | Daily Mail Online
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3662396/World-s-smallest-lens-twice-width-human-hair-3D-printed-lenses-revolutionise-medical-imaging-nano-robotics.html

シュトゥットガルト大学の第四物理学研究所(4th Physics Institute)、応用光学研究所(Institute of Applied Optics)らの合同研究チームは、3Dプリント技術によって超小型マルチ対物レンズを作り出すことに成功しました。

研究チームは3枚の極小レンズを直接光ファイバーに出力したというデバイスも開発済み。将来的に注射針を通して体内を映す内視鏡などが登場する可能性があるとしています。


注射針を通る様子はこんな感じ。大きな胃カメラを飲み込まずとも、注射するだけで体内の異常を発見できるようになるのかも。


以下は光ファイバーの先端に3枚のレンズが取り付けられたデバイスと、人間の髪の毛を比較したSEM(走査電子顕微鏡)画像。


以下は実際に3Dプリンターで出力された600マイクロメートルのマルチレンズデバイスで、隣に置かれている小さな粒も同じく3Dプリンターで出力された120マイクロメートルの2重レンズ。端に写っているピンセットを見ると、どちらもいかに極小のレンズであるかが想像できます。


CMOSイメージセンサーに2重レンズが規則正しく配置されている様子。


研究チームの1人であるTimo Gissibl博士は「現状のレンズは製造技術の限界によりサイズや形状が制限されています。3Dプリンターで極小レンズを出力できるようになったことで、医療用の内視鏡から細胞生物学向けの機器、小型ドローンやロボットの視覚などに適応できるでしょう」と話しており、あらゆる分野で目に見えないほど小さなカメラが登場する可能性を示唆しています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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