最もバッテリー持ちのよいブラウザは「Opera developer」とOperaがMicrosoftに反論

2016年の5月、ウェブブラウザ・Operaの新機能を試験的に実装する開発者向けブラウザである「Opera developer」に、新しく節電モードが追加されました。Opera developerは圧倒的なバッテリー持ちを実現するウェブブラウザということで注目を集めたのですが、Microsoftが「Edgeの方がバッテリー持ちがいいよ」というブログポストを投稿したことから、Operaも「Opera developerの方がバッテリーを節約できるよ」と反撃する事態に発展しています。

Why we challenge Microsoft’s battery test
http://www.opera.com/blogs/desktop/2016/06/over-the-edge/

Opera developerの節電モードの登場は、ChromeやInternet Explorerなどの主要ブラウザの中では初めて節電モードを搭載したウェブブラウザの登場ということでもあり、「Chromeよりも50％バッテリーが節約できる」という高性能さも相まって大きな話題となりました。

Chromeより50％バッテリーが節約できる節電モードをOperaが搭載 - GIGAZINE

Operaによるテストでは、64ビットのWindows 10で節電モードをONにした状態のOpera developerやGoogle Chrome、通常版OperaとでPCの動作時間を比較したそうです。検証の結果、節電モードをONにした状態のOpera developerが他よりも約1時間もPCの動作時間が長くなることが明らかになりました。Opera developerを節電モードにすると、バックグラウンドのタブの動作を抑え、JavaScriptのタイマーを最適化してCPU使用を減少させます。また、使用していないプラグインを自動で停止させたり、フレームレートを30fpsに減少させたりなど、さまざまな方法でバッテリーを節約してくれるようになるそうです。

OperaはOpera developerの節電モードの威力を証明するために通常版のOperaとChromeを比較に出し、MicrosoftのEdgeと比較実験することはありませんでした。これは、「EdgeがWindows 10でしか使用できないため」と、Operaは語っています。

しかし、その後、Microsoft公式が「Windows 10搭載ノートPCで使用するとバッテリー消費が多いのはどのウェブブラウザか？」を調査しており、Windows 10搭載ノートPCで最もバッテリー持ちが良いのはEdgeであるという結論を出しました。

ChromeがノートPCのバッテリーを最も減らすブラウザであるということがMicrosoftのテストで判明 - GIGAZINE

この結果を受け、Operaは「Microsoftのテスト結果はバグだ」と考え、Edgeも含めたPCの動作時間の検証テストを行うことに。しかし、Microsoftはテスト時の詳細な設定環境を明かしていなかったため、Operaは最初にOpera developerの節電モードを調査した際と同じ条件でPCの動作時間を調査したそうです。なお、テスト時に使用したPCは14インチのLenovo Yoga 500で、RAMは4GB、HDDは500GBでWindows 10を搭載しています。

その結果が以下のグラフ。PCの動作が最も長いのは節電モードを使用したOpera developerで3時間55分。対して、MicrosoftのEdgeは3時間12分でした。なお、検証時に使用した各ブラウザのバージョンは、Opera Developerがバージョン39.0.2248.0、Microsoft Edgeがバージョン25.10586.0.0、Chromeがバージョン51.0.2704.103でした。

Operaは「テストで実際のユーザーがブラウジングする方法を完全に再現することはできないものの、テスト結果をより信頼性の高いものにすることはできる。例えば、一般的にブラウジングする際はムービーを見たりニュースを見たりとさまざまなウェブサイトを開くものなので、それを再現すればいいわけです。また、特製のアルゴリズムを使用することで、実際のユーザーがブラウジングしているかのようにウェブサイトをスクロールさせることも可能です。我々のEdgeとOperaの比較テストでは、こういったことを行い信頼性を高めています」と、テスト結果が実際のブラウザ使用時の結果により近いものである、としています。

また、Operaは「Microsoftが本当に自身のブラウザのパフォーマンスが他のものよりも優れていると証明したいなら、テストの方法を他の人々が再現できるように明らかにするべき」と語っています。