音楽を聴いて鳥肌がたつ人とそうでない人では脳にどのような違いがあるのか?


音楽を聴いて感動を覚えたとき、「鳥肌がたつ」ことがあります。音を聴いてなぜ鳥肌が立つのかという理由については長年議論が交わされていて、今もまだ詳しいメカニズムは分かっていないのですが、音楽を聴いて鳥肌がたつ人は脳の特定の部分が強化されていることが実験で明らかになりました。

Brain connectivity reflects human aesthetic responses to music
https://scan.oxfordjournals.org/content/early/2016/03/10/scan.nsw009.abstract

Breakthrough in understanding the chills and thrills of musical rapture | Science | The Guardian
https://www.theguardian.com/science/2016/jun/17/breakthrough-in-understanding-the-chills-and-thrills-of-musical-rapture

南カリフォルニア大学の大学院生のマシュー・サックスさんは、音楽を聴いて鳥肌がたつ瞬間に脳にどのような変化が起こっているのかを調査しました。一般的に、音楽を聴いて鳥肌がたつ人は全体の3分の2から半分であることが知られているため、サックスさんはまずは200人以上を対象にオンラインでアンケート調査を行い、鳥肌がたつ人とたたない人を選び出しました。

実験では鳥肌が立つ10人と、音楽では鳥肌がたたない10人にグループを分けた上で、自分のお気に入りの曲を研究室に持ち込んでもらったとのこと。そして、音楽を聴いている時の脳の状態をMRIで調べて拡散テンソル画像(DTI)を撮影して、それぞれのグループにおける音楽を聴いたときの脳の状態の違いから、鳥肌がたつときの脳の変化を探りました。


すると、鳥肌がたつグループの被験者は、脳の中にある音を処理する部位と、感情に関係する部位だと考えられている前部島皮質ならびに前頭前皮質との間に多くのつながりがあることが分かったとのこと。

この実験結果から、サックスさんは脳の聴覚に関係する部分と感情に関係する部分との間の強いつながりが、音楽を聴いたときに深い感動を想起させるのに関係している可能性を指摘しています。ただし、一般的に寒気を感じるときに起こる鳥肌現象が、なぜ音楽を聴いたときに起こるのかという根本的な理由については不明だとのこと。


サックスさんは、「音楽で鳥肌がたつ人と立たない人との間に脳の違いが見つかったものの、この違いが先天的なものなのか後天的なものなのかを知ることは非常に難しいです。実験から分かったことは、音楽を聴いて鳥肌が立つ、立たないという違いを説明できる脳の違いがあるということだけです」と述べています。


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