ゲームデザインプロセスにおける「100:10:1」の方法

By Hldrmn

プログラマーとして企業に勤めるかたわら多くの自作ゲームを15年間作り、過去にはゲームデザインのコンペティションで優勝したり、Catch UpOddというゲームを作ったりしているニック・ベントリーさんが、ゲームを開発するときに使う独自のメソッド「100:10:1」を公開しています。3つのステップ通りに進めば、ゲームのデザインプロセスを劇的に改善できるという内容で、ゲーム開発以外でも役に立ちそうな内容になっています。

The 100:10:1 method – the heart of my game design process | Nick Bentley Games
https://nickbentleygames.wordpress.com/2014/05/12/the-100-10-1-method-for-game-design/

◆ステップ1:100のアイデア

By jbraine

ベントリーさんがゲームを作り始めるときは、まずゲームのコンセプトを一週間以内に100個作り、ノートに書き留めるとのこと。このときは、質よりも量を重視するのがポイントで、とにかく思いつくゲームのコンセプトを書きまくります。例えば、「Mortals(ゲーム名):キャラクターはサイコロの顔をしていて、顔(サイコロ)の目がゼロになると死亡する」という感じで、完全なコンセプトの形をなしていなくてもOK。

ステップ1は、いわゆるブレインストーミングと同じで、良いアイデアを見つけるためにたくさんのアイデアを捻出するというもの。ゲームコンセプトのアイデアを出して、それらを比較することで、そのアイデアの悪い部分、つまり欠点が見えてくることもあるそうです。

ステップ1は「自分が興味あるものとは何か?」と聞いているようなもので、アイデアは100個でなく多ければ多いほどよいそうです。クライアントから受注して制作するときは、クライアントの訴求ポイントに沿ったアイデアを考えればOKとのこと。

◆ステップ2:10のゲーム

By Nathan Wood

ステップ2では、ステップ1で書き留めた100のコンセプトから、自分が定めた目標に基づいて10個のコンセプトを選択し、そのゲームを制作。つまり、ステップ2では10本のゲームを作るということになります。ただし、作るのは完全なものではなく、とりあえずプレイできるくらいの完成度でOK。ベントリーさんは、通常ステップ2に約6カ月をかけるそうです。

なぜ「1」ではなく「10」のコンセプトを選ぶかというと、ベントリーさんによれば、1つのゲームに集中してしまうと、そのゲームのおもしろさを正確にジャッジできないとのこと。集中しすぎてゲームの欠点が見えなくなってしまうというわけです。1ではなく10のゲームを作ると、他のゲームと比較できるという利点も生まれ、正確な評価がしやすいそうです。

また、1つのゲームを作っているときに問題にぶち当たってしまっても、別のゲームの作業ができることも利点の1つです、どうしても解決できなかった問題でも、別のことをやってから戻ってくると、どうしても頭に浮かばなかった解決作を思いつくことがあります。

◆ステップ3:作るべき1つのゲーム

By Cathrine

ステップ3では、ステップ2で作ったゲームの中から最も期待できる1本を選び、「もうこれ以上は無理!」というレベルまで完成させます。次に、そのゲームの欠点をまとめたリストを作り、できるだけ多くの欠点の改善。ステップ3にかかる時間は、ステップ2での完成度や開発しているゲームの種類にもよりますが、短くて1年で長くて4年くらいとのこと。このステップは多くのゲームデザイナーが開発プロセスの最後に行う部分になります。

ベントリーさんが公開した独自のプロセスは、ステップ1で創造性を、ステップ2と3では問題解決能力が鍛えられるとのことで、ゲームだけでなくアプリやソフトウェアの開発でも使えそうです。

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in ゲーム, Posted by darkhorse_log