Microsoftのスマホ事業縮小&人員削減に関する社内メールが流出
By Mike Mozart
2016年5月19日にフィーチャーフォン部門をFoxconnの子会社FIH Mobileとフィンランドの企業のHMD Globalに売却することで合意したMicrosoftが、今度はスマートフォン事業の縮小化を表明し、最大1850人の削減を発表しました。事業縮小と大規模リストラに関して、Windows&Devicesエグゼクティブ バイスプレジデントのテリー・マイヤーソンが従業員に送ったEメールが流出し、その内容が公開されています。
Read Microsoft's internal memo about its smartphone restructuring | The Verge
http://www.theverge.com/2016/5/25/11766354/microsoft-terry-myerson-smartphone-streamlining-memo
Microsoft announces streamlining of smartphone hardware business | News Center
http://news.microsoft.com/2016/05/25/microsoft-announces-streamlining-of-smartphone-hardware-business/
Microsoftの公式発表によれば、2013年に総額7000億円(当時のレート)で買収したノキアのフィーチャーフォン部門の拠点であったフィンランドで最大1350人、他の拠点で最大500人の人員削減を行い、それに伴う早期退職手当の2億ドル(約219億円)を含めたリストラにかかる費用と評価損は約9億5000万ドル(約1040億円)にのぼる見込みです。
サティア・ナデラCEOは発表の中で「セキュリティ、管理性、Continuum機能などに価値を見いだす企業や消費者向けに、当社が差別化できる分野でのスマートフォン事業に集中します。すべてのモバイルプラットホームのデバイスやクラウドサービスにおける技術革新を継続します」と説明していますが、IT関連メディアのThe Vergeが入手したマイヤーソン氏から従業員に送られたメールには今回の決定に関する詳細と、今後のWindows Phoneへの取り組みについて述べられています。
By Mike Mozart
Eメールの前半部分には「先週、我々はフィーチャーフォン事業の売却を発表しました。本日、私は追加のステップとしてスマートフォン事業の縮小について共有します。この決定により、フィンランドで最大1350人、全世界で合計1850人に対して影響が出ます。これらの変化はとても難しいことでした。なぜならMicrosoftに長年貢献してきてくれた人たちに影響を与えてしまうからです。サトヤと役員に代わり、我々が影響を被る一人一人にサポートを継続することを約束します」と、今回の事業縮小と人員削減に関して書かれています。
事業縮小が決まったスマートフォン事業については「我々はスマートフォン事業により集中する必要がある」として3つの戦略が記載されおり、1つはプラットフォームを問わないユニバーサルアプリの提供、1つはWindowsのデバイスとサービスで新しい体験を作りだすイノベーションへの追求を確固たる姿勢で進めることです。そして、もう1つは「我々はユーザーのサポートを今まで通り続けていき、これはWindows Phoneも例外ではありません。LumiaやOEMパートナーのスマートフォンに対するアップデートとサポートを継続し、新しい端末の開発も行います」と述べており、今後も新しいWindows Phoneの開発が続けられると考えられます。
メールの最後は「私はこのメールで『より集中する』という言葉を使いました。これは、我々が行っていること(事業は縮小するけれども、なくなるわけではありません!)を表現していますが、私は『より集中する』という言葉を愛しているわけではありません。なぜなら、今回の決定における感情的な影響を欠いてしまう言葉だからです。モビリティにおける我々の長い旅路を振り返ると、我々はハードワークをこなし素晴らしいアイデアを持ってきましたが、インパクトを残すために会社に必要とされる団結があったわけではありません」
「同時に、全ての開発者たちに向けてユニバーサルプラットフォームを作る私たちの旅路について書かれた記事が最近Ars Technicaに掲載されました。記事は我々がいかに大きなチャレンジに直面しているか、そのチャレンジを乗り越えるのに必要とされる根性が描かれています。記事の最後は『Microsoftは競合他社が成し遂げられなかったことを成し遂げました。ここまでくるのに20年以上かかっていますが、Microsoftは最初にここにたどり着いた』と書かれています。私にとって、これはまさに『集中すること』が我々に届けてくれるものだと思います。そして今、我々はこの基盤に到達しました。素晴らしい製品を作るために」で終わっています。
一方で、PayPalがWindows Phone用のモバイルアプリを6月末に停止することを発表するなど、外部からWindows Phoneのプラットフォームを切り捨てる動きがあるのも事実です。
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