ヒトと巨大熊「グリズリー」の奇跡の友情を収めたムービー「Man and Grizzly Bear - Rewriting History」
アメリカに住む自然活動家のケーシー·アンダーソン氏は、親を亡くして安楽死寸前だった2匹のグリズリー(熊)の赤ちゃんを引き取って以来10年来に渡って生活を共にし、普通は見ることができないヒトとグリズリーの間の信頼関係・友情関係を築いています。成長すると体重が400kgを超えることもあり、襲われるとひとたまりもないグリズリーは人間にとって恐怖の対象であると考えられているわけですが、そんな常識をまったく覆してしまう奇跡の光景を全てGoPro HERO4を使って収めたムービーが公開されています。
GoPro: Man and Grizzly Bear - Rewriting History - YouTube
グリズリーの「ブルータス」とともに映っている男性が、ケーシー・アンダーソン氏。アンダーソン氏はアメリカ・モンタナ州の熊保護施設で親を亡くした2匹のグリズリーを引き取り、うち1匹を大人になるまで育てた人物です。
ムービーには、ブルータスとアンダーソン氏がじゃれ合う様子が「これでもか」と言わんばかりのレベルで収められており、クマとヒトがこれほどまでに親しくなれるのかと驚かざるを得ません。
アンダーソン氏の自宅の様子。自然の中に立てられた家で、動物に囲まれて暮らしている模様。
家の中にはネコもいます。
ブルータスが暮らしているのは、ワイオミング州とモンタナ州、アイダホ州にまたがるイエローストーン国立公園の中にあるグリズリー保護センターの中。世界初の国立公園でもあるイエローストーン国立公園は自然が本来の姿のまま残されており、グリズリー以外の動物が暮らすイエローストーン・エコシステム(生態系)を守るために厳しい規制が設けられています。
そんな自然の中で、ブルータスと遊ぶアンダーソン氏。これは何やら土を掘って穴を開けている様子。
アンダーソン氏が小枝でブルータスの肉球をコチョコチョしている様子も。慣れていない人だと数秒後には命すら危うい光景ですが、親友のアンダーソン氏の前だとブルータスはまるで子猫のよう。
眠たくなったのか、そのうち眠りに落ちてしまいました。
イエローストーン国立公園は、約90万ヘクタールという広大な面積を持つ地域で、その広さは東京ドームに換算すると約19万個分、四国の半分にも匹敵する広さとなっています。
グリズリーが生息する地域は、イエローストーン国立公園を含めてカナダにまたがるエリアに広がっています。野生のグリズリーは絶滅危惧種にも指定されており、保護を受けているのですが、ヒトと接触することで人間に被害が及ぶなどの問題も存在しています。
そのため、野生のグリズリーとの間には、およそ100メートル程度の距離を保つことが推奨されているとのこと。グリズリーは最大時速50kmほどで走ることができ、かのウサイン・ボルト選手でも逃げ切れないほどの速さを持っています。
しかし、アンダーソン氏とブルータスの関係はそんな恐ろしさをみじんも感じさせないもの。子犬と遊ぶようにじゃれ合ったり……
小川で水しぶきを上げてたわむれたり。
兄弟のように野山を歩く2人
アンダーソン氏は「なぜブルータスと名付けたの?カエサルを裏切ったブルータスから?」と尋ねられることもあるとのこと。しかしアンダーソン氏はそんな歴史を変え、偉大なる兄弟愛の象徴としてブルータスの名前を歴史で書き替えたいと語っています。
アンダーソン氏は、グリズリーを保護する団体「Montana Grizzly Encounter」を立ち上げてブルータス以外のグリズリーの保護や啓蒙活動を行っています。その活動の詳細は、以下のウェブサイトで見ることができます。
Montana Grizzly Encounter
http://www.grizzlyencounter.org/
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