全力走行を学習したロボットカーはいい感じのドリフトコーナリングもできることが判明
Googleをはじめとする世界中の自動車メーカーやIT関連企業が開発を進めている自動運転車は、AI(人工知能)技術を使って安全に走行することが目指されています。その一方で、ジョージア工科大学の研究チームが開発しているロボットカー「AutoRally」は、ダート(土)のコースをハイスピードで駆け抜け、コーナリングの際には軽くドリフトしながら走行することをマスターしています。
Autonomous Mini Rally Car Teaches Itself to Powerslide - IEEE Spectrum
http://spectrum.ieee.org/cars-that-think/transportation/self-driving/autonomous-mini-rally-car-teaches-itself-to-powerslide
AutoRally
https://autorally.github.io/
AutoRallyは、実車の5分の1サイズのラジコンカーをベースにした実験車両で、車体の全長は約1メートル、重量は約21kgというけっこうな大きさの車両。
車体にはオンボードコンピューターや前方カメラ、GPSセンサーなどを搭載し、外部からの操作を一切行わない状態でも自分で判断して走行することが可能です。
土煙を上げて走るAutoRally。スペック上の最高時速はなんと時速105kmにも達するとのこと。
AutoRallyがどのようにダートを走行してコーナリングしているのかは以下のムービーで見ることができます。
GT AutoRally: Aggressive Driving with MPPI Control Overview - YouTube
AutoRallyは、走行するコースの中で自車が進むルートを予測し、最も効率の良いラインを選択しながら走ることが可能になっているとのこと。
1秒間に60回の判断を行いながら、常に最適なラインを見つけて走行。
このように、後輪を滑らせて軽くカウンターを当てたドリフト走行を行う能力も備えている模様。
車載カメラの映像にアクセルやハンドルの操作を重ねた映像。コンピューター制御ということもあり、人間の操作スピードをはるかに上回る細かな制御が行われている様子が分かります。
ドライビングに失敗したときにも自分で立て直すという、まるで人間のような対応も可能とのこと。このように、コーナリングに失敗して立ち往生しそうなときにも……
きちんと姿勢を立て直して走行を再開。
「おっとと」と横転しそうになっても……
うまい具合に横転を回避してリカバリー完了。
しかし、時にはリカバリーがうまく行かないことも。
コース外側に突っ込んでしまったり……
横転してしまうことも。
ハイスピードのままコーナー出口で姿勢を乱し……
逆ハンのまま「お釣り」をもらって……
そのままコース外側へと刺さってしまうことも。まるで人間と同じような失敗をすることもあるAutoRallyですが、それだけ人間に近いドライビングを再現できているということになるのかも。
詳細なスペックは次のとおり。サイズの大きなラジコンカーだけあって、前輪にはブレーキまで備わっているようです。
センサー類には、1秒間に200回測定可能なIMU(慣性計測装置)やGPSセンサー、2基の前方カメラやタイヤの回転センサーなどを搭載し、CPUにはIntel i7 クアッドコア 3.1GHz、GPUにはNVIDIA GTX 750tiを搭載して自律運転を可能にしています。
時にはかなりアグレッシブな走りを見せるAutoRally。実際のレースの世界でもコンピューターによるシミュレーション技術が飛躍的に進化していますが、ロボットカーが人間よりも素晴らしい走りを見せる日がやって来るのも、そう遠くない気がしてきます。
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