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官能小説を人工知能に読ませるGoogleの狙いとは?

By Naim Khelifa

Googleは近年人工知能の研究に力を注いでおり、2016年3月には囲碁で世界最強の棋士を打ち破る快挙を成し遂げました。そのGoogleが、今度は人工知能に官能小説や恋愛小説を読ませるという聞いただけでは何のためなのかよくわからない研究を進めており、その狙いにIT関連メディアのBuzzFeedが迫っています。

Google Is Feeding Romance Novels To Its Artificial Intelligence Engine To Make Its Products More Conversational - BuzzFeed News
https://www.buzzfeed.com/alexkantrowitz/googles-artificial-intelligence-engine-reads-romance-novels

「彼女が着ているブラウスは、ボタンがはじけ飛ぶように外されていく。彼は、ピンクのブラジャーから見えるこぼれ落ちそうな乳房と高くて活発な谷間にあらんばかりの暴力を受けた……」、こういった文章を含む官能小説や恋愛小説をGoogleは人工知能に読ませて構文解析を行っているそうです。

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気になるのはGoogleが恋の情事をテーマにした小説を人工知能に読ませて何を研究しているかということですが、Googleのソフトウェアエンジニアに取材を実施したBuzzFeedによると、Googleには人工知能に官能小説や恋愛小説を読ませて、同社の製品のパーソナリティや会話能力を向上させる狙いがあるとのこと。また、人工知能の研究チームは、小説から学習したデータを用いて人工知能に文章を書かせる研究も進めています。

Googleのソフトウェアエンジニアのアンドリュー・ダイ氏は「Googleのアプリは事実に基づくような反応しか見せません。しかし、この研究が続けられればアプリはより会話的な反応を見せ、声のトーンやスタイルも多様性を持つことができるでしょう」と話しています。また、Gmailに届くメールを自動分類するアプリ「Inbox」の自動返信機能「スマートリプライ」での文章生成にも役立つ可能性があるとのこと。つまり、機械学習を用いたGoogleのアプリは人間の操作に対する反応のなかに機械的な部分があるので、それを官能小説や恋愛小説を読ませることで改善していこうというわけです。

なぜ官能小説や恋愛小説が製品向上のために選ばれたのかというと、こういった小説は似たようなプロットが採用されるので同じようなストーリーが紡がれますが異なる単語が使われており、幼児向けの本よりも人工知能の学習に向いているからだとのこと。何千もの官能小説や恋愛小説を読むことで、人工知能はどの文章が同じ意味を持っているのかを知覚し、言語のニュアンス的な部分を理解できるようになるそうです。

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なお、BuzzFeedが「いつかGoogleの人工知能は官能的な文章を書けるようになるのか?」と聞くと、ダイ氏は「理論上は可能です」と答えました。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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