右か左かをランダムに表示するだけのiPadアプリに合計1億5000万円以上が支払われていた
アメリカの空港で行われている、セキュリティチェックを簡略化して迅速に進められるTSA PreCheckというプログラムで、旅行者をレーンに振り分けるために「TSA Randomizer」というiPadアプリが用いられているのですが、その開発にあたって140万ドル(約1億5500万円)が支払われていたことが発覚しました。
The TSA Randomizer iPad App Cost $1.4 Million | Kevin Burke
https://kev.inburke.com/kevin/tsa-randomizer-app-cost-336000/
TSA paid $1.4 million for Randomizer app that chooses left or right | Apps and Software | Geek.com
http://www.geek.com/apps/tsa-paid-1-4-million-for-randomizer-app-that-chooses-left-or-right-1651337/
そもそもアプリがどのようなものなのかは以下のムービーを見るとわかります。
TSA and the "Randomizer" - YouTube
iPadを体の前で持った係員が、その画面に表示された矢印に従って旅行客を左右に振り分けています。
1人案内するごとに画面をタップ
矢印はランダムで表示されます。機能はこれだけ、非常にシンプル。
技術者であるケヴィン・バークさんは、このアプリがいったいどうやって作られたのかを疑問に思い、情報公開法に基づいて情報を請求、その内容を入手しました。
バークさんが手にした情報によると、アプリに関する契約は4社による入札が行われてIBMが落札、その価格は33万6000ドル(約3725万円)でした。しかし、これはあくまで一部であり、全体で支払われた金額は144万4315ドル(約1億5500万円)だったことがわかりました。
Advanced Data Search
https://www.usaspending.gov/Pages/AdvancedSearch.aspx?k=HSTS0313JCIO494
この明細では、プロジェクト全体で支払われた金額がこれだけであったことはわかるものの、IBMが実際にどれだけ開発費用をかけたのかといった部分は不明です。ニュースを報じたGeek.comでは、「同じ機能を持ったアプリを数千ドルで提供できる、しかるべき開発者はたくさんいる」と、契約の不透明さを指摘しています。
なお、TSAはこの件について「落札額は33万6000ドルではなく4万7400ドル(約525万円)です」と主張しています。
TSA says Randomizer app only cost $47,400 | Fusion
http://fusion.net/story/287525/tsa-300-thousand-dollars-randomizer-app/
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