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Microsoftのブラウザ「Edge」の拡張機能がChromeでも動作することが確認される


Microsoftの新ブラウザ「Edge」はChrome・Firefoxの拡張機能をそっくりそのまま奪い取る驚愕の仕様であることが知られていますが、逆方向の互換性が存在する模様で、あるユーザーはEdgeの拡張機能をChromeに移植して動作させることに成功しています。

Running Microsoft Edge extensions in Chrome | BAV0.com
http://bav0.com/running-microsoft-edge-extensions-in-chrome/

Microsoft's Edge Extensions can run on Google's Chrome - MSPoweruser
http://mspoweruser.com/microsofts-edge-extensions-can-run-on-chrome/

この動作を確認したのは、ソフトウェア開発者のBavo Luysterborg(Bav0)さんです。Bav0さんは2016年3月15日、MicrosoftのページでEdge向け拡張機能「Microsoft Translator」と「Reddit Enhancement Suite」そして「Mouse Gestures」の.exeファイルが予定より早く公開されていたことを発見しました。


さっそく各ファイルをダウンロードしてEdgeで試してみたのですが、うまくいかなかった模様。次に、Edgeの拡張機能はGoogle Chromeとの互換性があるという噂をもとに、Bav0さんは拡張機能をChromeに追加することを試みます。多少のカスタマイズは必要だったようですが、見事に移植は成功。実際に動作させてみると、次のようにほぼ完璧な互換性を持っていることがわかったそうです。

◆Microsoft Translator
.exeファイルを実行させると拡張機能のフォルダが解凍され、その中には「manifest.json」や「_locales」フォルダなどがあり、Chromeの拡張機能のフォルダで見られる様子とほぼ同じような状態だったとのこと。ここからも両者の類似性が垣間見えます。

Bav0さんは次に、Chromeの拡張機能ページで開発者モードに入り、「パッケージ化されていない拡張機能を読み込む」機能を使って解凍されたフォルダをChromeに追加。すると、以下のようなエラー表示が画面に現れたとのこと。


画面の指示に従ってmanifestに「"manifest_version”: 2」を追加して再度試してみると、今度は以下のような長いエラーメッセージが出現。


どうやらローカライゼーションがうまく行ってないように見えたので詳細を確認すると、フォルダ内にローカライゼーションのファイルが存在していないことが判明。対応策としてBav0さんは該当するフォルダを削除し、再度チャレンジ。すると今度はうまく起動に成功し、表示画面の内容も、まるでChromeの拡張機能そのものに見える状態だったとのこと。


ブラウザのツールバーにもMicrosoft Translatorのアイコンが表示され、元は中国語だったページの表示も……


問題なく英語へと翻訳されたとのこと。


◆Mouse Gestures
次にBav0さんはMouse Gesturesの起動を試みます。先の例にならって、あらかじめ対策を施した上で起動すると、一発で起動に成功。


しかし、どうやらEdgeとChromeの違いにより、そのままの形ではマウスジェスチャーによる操作を行うことはできなかった模様。唯一操作できたのは、リンクをドラッグすることで新しいタブを開くという動作だけだったとのこと。


ちなみに、本来の動作はこんなイメージ。


拡張機能の設定ページは問題なく表示できたそうです。


◆Reddit Enhancement Suite
3つめのReddit Enhancement Suite (RES)でも同様の下準備を行ったうえで実行させてみたところ、今度は見たことがないエラーが表示されました。


これはどうやらダウンロードした拡張機能の中にあるべきはずのフォルダが含まれていないのが原因の模様。幸いなことに、RESはオープンソースで開発されている拡張機能だったので、Bav0さんはGitHubのライブラリから必要なフォルダをダウンロードして、manifestを書き直した上で再トライすると、今度はうまく起動に成功。


このように、Edgeの拡張機能はChromeに対して一定の互換性を持っていることが判明。Bav0さんは「Microsoftは『Chrome→Edge』の互換性だけでなく『Edge→Chrome』の向きにも互換性を持たせようとしているのかも」と語っています。事実、テスト時はまだ正式版ではなかったわけですが、ほんのわずかな手直しで機能がそのまま使えたというBav0さんの検証を考えると、実際にMicrosoftが両方の互換性を持たせる可能性は高いのかもしれません。

なお、「公開された」とされていたMicrosoftの拡張機能のページですが、記事作成時点では「Page not found」となっていました。

Windows Dev Center

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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