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人工衛星として夜空に最も明るい星を打ち上げる驚愕のプロジェクト「Mayak」


太陽を除けば、地球から見える恒星の中で最も明るいのはおおいぬ座α星の「シリウス」です。しかし、ロシアのクラウドファンディングサイトBOOMSTARTERで資金を募集しているプロジェクト「Mayak」により、宇宙で最も明るく輝く星の座をシリウスは奪われてしまうかもしれません。

Russian crowdfunded reflector satellite aims to be “brightest star in the sky” | Ars Technica
http://arstechnica.com/information-technology/2016/02/russian-crowdfunded-reflector-satellite-aims-to-be-brightest-star-in-the-sky/

モスクワ大学の機械工学課に所属するエンジニアと天文ファンの集まりが、ロシアのクラウドファンディングサイトであるBOOMSTARTERで「Mayak」というプロジェクトをスタートさせました。これのプロジェクトが打ち上げようとしている人工衛星は、16平方メートルの「全体を反射鏡で覆った」四面体で、地上から約600kmの低軌道に配置されます。


見た目はこんな感じ。Mayakで作成された四面体が軌道上で太陽の光を反射すれば、これは夜空で輝くどの星よりも明るく光るそうです。


加えて、Mayakプロジェクトでは、打ち上げた四面体の位置をいつでも確認できるスマートフォンアプリをリリース予定。


また、Mayakプロジェクトのページによれば「ソユーズ2ロケットで2016年の中頃に打ち上げることができる可能性を確認した」とのことで、打ち上げは数年後の話などではなく目前に迫っていることがわかります。

そんなMayakプロジェクトのタイムラインはこんな感じ。BOOMSTARTER上で資金募集を始めたのは2016年になってからですが、プロジェクト自体は2014年からスタートしていた模様。なお、Mayakでは実験的な大気制動システムを取り入れることを目指しており、これが搭載されれば逆推進ロケットを使用せずに四面体の人工衛星を大気圏に再突入させて回収することも可能になるかもしれないそうです。


ロシアでは1993年にミール宇宙ステーションに直径65フィート(約20メートル)のプラスチックをアルミニウムでコーティングした反射ディスク「Znamya」が運び込んだことがあります。これは「太陽の光を反射することで地球の夜に太陽の光を注ぐこと」が可能であるかどうかをテストするために持ち込まれたものでした。これらのアイデアは「軌道上に反射鏡を集めれば日光が降り注ぐ長さをコントロールできるようになるのでは」という考えから生まれたもので、当時は建築現場や災害時などに役立つものと考えられていました。なお、軌道上の反射鏡を使って地球に太陽の光を照射するというアイデア自体は、ドイツのロケット工学家であるヘルマン・オーベルトが1920年代に立案したものだそうです。

なお、同プロジェクトは記事作成時点で既に180万ロシアルーブル(約280万円)を集めており、目標資金の120%を集めることに成功しています。

Космический спутник «Маяк» - Boomstarter

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in ハードウェア,   サイエンス, Posted by logu_ii

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