ハードウェア

ディープラーニングで森の中を迷わずに自律飛行できる遭難救助ドローン


森や山を自律飛行できるロボットの開発において、従来の研究では道自体を区別できる技術に焦点が当てられていました。そんな画像特徴や外観対比による経路の分別はロボットの自律走行技術として不適当であるとして、3台のアクションカメラの映像をディープラーニングで一度に解析して、正しい経路の方向を人間に匹敵する精度で選択可能な新技術が発表されました。

On the Visual Perception of Forest Trails
http://people.idsia.ch/~giusti/forest/web/

カメラ映像による視覚情報をディープラーニングで解析して、山や森などの道を識別できる技術を研究しているのは、スイスの人工知能研究所「IDSIA」および、チューリッヒ大学のロボティクス知覚研究グループによる共同研究グループ。ドローンに搭載可能な山林救助の新技術が一体どのような仕組みなのかは、以下のムービーを見ると分かりやすいです。

Quadcopter Navigation in the Forest using Deep Neural Networks - YouTube


クアッドコプターに搭載されている新技術は「自動的に森にある道をたどって飛行する」「野外の遭難者の捜索救助任務で活躍できる」「市販のカラーカメラ(GoPro)で道を識別する」といった特徴を備えています。


自然の中の道は人間でも見分けがつきにくく、ロボットが画像や映像から正しい進路を取るのは、従来の技術では十分な精度で実現できていません。以下のように、左・前方・右に道のようなものが見える場所で、正しい方向を選択できる技術を確立するのが最大の目的です。


問題解決のため、IDSIAとチューリッヒ大学の共同研究グループが用いたのは3台のカメラによる映像をディープラーニングで解析し、正しい進路を自動的に判別するというもの。


ドローンが道の上を飛行している時、システムはカメラから得た映像を10層のニューラルネットワーク、15万の負荷、50万のニューロン、5700万の接続で処理しているとのこと。


ドローンに搭載したシステムが正しい道を識別できるようにするため、あらかじめ頭に3台のGoProを人間に取り付け、学習データが取得されています。


学習データとして入力された写真の枚数は2万枚におよんでいるとのこと。


それらのデータを処理することで、カメラで見えている3方向へ適宜、進路を修正することができ、迷わずに正しい進路を自律的にとることができるわけです。


その結果、新技術による進路識別精度は、従来の52.32%に比べて85.23%となっており、人間と同程度である82%という識別精度を実現しているとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
1分で患者の元に駆けつけてAEDの指示までできる「救急ドローン」 - GIGAZINE

全自動で障害物を回避しながら高速飛行可能なドローン - GIGAZINE

ドローンが増水した川の濁流の中に取り残された少年2人の救助活動で大活躍 - GIGAZINE

遭難時にLEDでSOS信号を送れる防水・防塵・耐衝撃で太陽光発電も可能な20000mAhバッテリー「SOS 20K」 - GIGAZINE

火星で1人ぼっちになった宇宙飛行士の生死をかけたサバイバルを描く映画「The Martian」予告編 - GIGAZINE

in ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.