映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のあのとんでもないシーンはこうやって撮影された

2015年夏に公開されて多くの人に衝撃を与えた映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。その全編で見ることのできる、ハチャメチャなカーチェイス&バトルシーンはどのように撮影され、どのような視覚効果が施されたものなのか、VFXを担当したBrave New Worldが明かしています。
Brave New World | Mad Max Fury Road | vfx on Vimeo
まずはマックスがフュリオサたちの進路にバイクで立ちはだかるシーン。これは撮影時のもので、手前のバイクに乗っている人がマックスなのかどうか、ちょっと顔が影になっていてわかりません。

マックス役はトム・ハーディ。

その頭部をそっくりCG化して……

先ほどのバイク乗りの頭部に重ねました。つまり、実はあれはトム・ハーディ本人ではなかったということ。映画やドラマの撮影でボディダブルが使われること自体は珍しくありませんが、大画面で見られる前提だからか、顔の見えづらいシーンでもわざわざ差し替えを行うようです。

続いては、一面に広がる大砂漠。撮影が行われたのは南アフリカのナミビアです。

さらに広さを足して、雲を変更。ここはマットペインティングが用いられています。

砂漠を前に立つマックス。

撮影時はこんな感じで、かなり雰囲気が変わっているのが分かります。

正面に回るとこんな感じ、これは修正前。

効果を加えるとこうなります。

続いては、フュリオサの左腕に注目。彼女の左腕は肘のちょっと先で切断されていて義手が装着されているのですが、演じるシャーリーズ・セロンの左腕を切り落とすわけにはいかないので、撮影時は義手のギミックの内側に薄緑色のものが巻かれています。

そして、ここにCGの義手を合成して……

映画の中ではこのようになりました。

細かい修正ですが、撮影中のトム・ハーディは右耳にイヤホンをつけています。

しかし、映画中でマックスがつけているとおかしいのでVFXで消されています。

カーチェイスシーンでは、こうしてグリーンバックで撮影する場面も。

ここに空を合成します。

こちらはバイクでの走行シーン、後に長く続いているのは轍。撮影テストやリハーサルで走り回るため、どうしても複数の轍が残ってしまうわけです。

映画中では、これも消しています。

フュリオサの操るウォー・タンクが追跡されるシーン、先を行くウォー・タンクの左右に轍がありますが……

これも消されて、ウォー・タンクが何もない砂漠を進んでいくかのような雰囲気に。

合成にもいろいろな作り方があります。先ほど、トム・ハーディの顔を後から差し替えるものがありましたが、バルキリーとマーディが倒れ込むシーンではグリーンバックを使用。

走ってくる車は別録り。

2つを合成すれば、倒れた2人の体の上を車が走っていくシーンが完成。

ウォー・タンクが襲撃されるシーンでは、ウォー・タンクは実際に走っています。

ここでは、ウォー・ボーイズが撃ち込む槍とそこに繋がったケーブルが後から合成されています。

走るウォー・タンクとそこに突っ込んでくるウォー・ボーイズの車も、本当に走りながら撮影が行われました。

ただし、傾きながらも走れるように、実は補助輪がついています。

この補助輪の削除、および乗っているウォー・ボーイズの差し替えでVFXが使われています。

傾きながら走る車の中央部に、ちょっと小ぶりのタイヤが見えています。これが補助輪。

本物の車にはそのようなものはついていないので、映画では消されています。

また、ウォー・タンクを仕留めきれなかったこのウォー・ボーイズは……

こうして別録りされたもの。

その映像を、映像上のウォー・ボーイズに重ねて、不自然な部分を調整し……

やられて消えていく姿が完成。

群れをなして襲いかかるウォー・ボーイズ。

前述の通り、ワイヤーが後から追加されています。

マックスがタンクの後方を気にしているシーン。

実は、タンクに槍がぶち込まれているところです。

ふらふらと左右に走行する車は……

タイヤバーストを後から合成されるもの。

カーチェイスシーンでは、危険なシーンを除くと本当に車は走っています。ただし、このように3つの映像を合成して作り上げている部分もあります。


怪力のリクタスが活躍するシーン。実は、体はワイヤーで支えられていました。

エンジンを持ち上げるシーンは危険が伴うためか、完全にグリーンバックのスタジオ内で撮影されていて、リクタスだけを切り抜くロトスコープが使われたことがわかります。

そのほかに、大クラッシュのシーンでもロトスコープが用いられています。この撮影では左右に緑色のシートが立てられています。

砂煙を上げて傾くトラック。緑色の縁取りにより、トラックだけを切り抜いて別の背景に合成することがわかります。

そして、完全に横転。

岩山はまるでゲートのように左右の一部しか作られていませんが、これで問題ないわけです。

スタントを使うシーンやVFXの補助があるとはいえ、本当に砂漠を走り回って撮影されているからこそ、気持ちのいい映像が生まれているのかもしれません。

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