Ben&Jerry’sの店頭から姿を消したアイスを追悼する「フレーバーのお墓」
年末になると、その年に亡くなった著名人の訃報を伝えるニュースを耳にすることがありますが、原材料にこだわった最高品質のアイスクリームを提供するアイスクリームショップ「Ben & Jerry’s(ベン&ジェリーズ)」では、店頭からやむなく消えていったアイスの功績をたたえる「フレーバーのお墓」というムービーを公開しています。
ベン&ジェリーズ「フレーバーのお墓」 - YouTube
「フレーバーは死んじゃうとどこへ行くの?」
もくもくと地面に穴を掘っている男性。
男性の様子を、神妙な面持ちで見守る人々。
人々のもとに1台の車が到着し、後部のドアがオープン。
車内後部の広いスペースに小さな箱が収められています。
小さな箱の正体は、ベン&ジェリーズの店頭からいなくなったアイスクリームを埋葬する棺おけでした。
どんどん人が集まってきます。
人々が向かう先は、「FLAVOR GRAVEYARD」(フレーバーのお墓)。
墓場には数多くの墓石が立っていますが、普通の墓石とは違い、上部にアイスクリームのマークが描かれています。並んでいる墓石は全て、ベン&ジェリーズのアイスクリームを追悼するもの。
例えば「チョコレート・コンフォート」というフレーバーは、低カロリーのアイスクリームとして1999年に登場しましたが、発売から1年とたたずして姿を消してしまいました。
「パープル・パッション・フルーツ」は、ラズベリーとブラックベリー、パッションフルーツを使った紫色のアイスクリーム。6年間にわたって販売されていました。
墓場の中で、ひときわ多くのお花が供えられた献花台があります。
ここに、先ほどの小さな棺おけがお墓に運ばれてきました。
多くの列席者がフレーバーの埋葬を見守ります。
フレーバーとの別れを惜しんで涙を流す人も。
最後の別れの言葉をフレーバーに語る人々。
今回埋葬された「ワット・ア・クラスター」はピーナッツバターアイスにキャラメル、マシュマロ、ピーナッツバターが入った濃厚なフレーバーが人気でしたが、2014年に店頭から姿を消しました。
というわけで、ベン&ジェリーズが自ら「創業以来の、数々の失敗作をここに称えます」と、販売中止になったフレーバーの功績を残すための特設ページをオープンしています。
フレーバーの墓場 | Ben & Jerry’s
http://www.benjerry.jp/flavours/flavour-graveyard
「フレーバーの墓場」を開いてページを下へスクロールすると、お墓の写真が整然と並んでいます。試しに「クレームブリュレ」をクリックしてみると……
フレーバーごとの味や功績を紹介する個別ページが開きました。クレームブリュレは2007年から2012年まで販売されていたフレーバーで、墓石には今後の復活を期待できそうな言葉が刻まれています。
「ダスタードリー・マシュ」のように、10年以上の長きにわたって販売されていたにもかかわらず消えてしまったフレーバーもいました。
多くのフレーバーが誕生してきた歴史の上に、今のベン&ジェリーズのアイスクリームが存在すると考えれば、より一層アイスをおいしく感じるかもしれません。
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