PC版「スーパーマリオブラザーズ3」のデモ映像を開発者が公開
「スーパーマリオブラザーズ3」は任天堂が1988年に発売したアクションゲームで、国内での販売本数はファミコン向けソフトとしては「スーパーマリオブラザーズ」の681万本に次ぐ384万本、全世界でも約1800万本という大ヒットタイトルです。スーパーファミコン向けの「スーパーマリオコレクション」、およびゲームボーイアドバンス向けの「スーパーマリオアドバンス4」に、それぞれリメイク版が収録されており、2007年からはオリジナル版がWii向けのバーチャルコンソールで配信されています。
実はこれらとは別にPC向けの移植版が作られたことがあり、関係した開発者がデモ映像を公開しています。
Super Mario Bros. 3 Demo (1990) on Vimeo
タイトル画面。下部には「Ideas From the Deep」という表記が入っていますが、これは移植が任天堂ではなくプログラマーのジョン・カーマック氏によって行われたため。
PC移植版なので、グラフィックこそ微妙に異なるものの中身はほぼ同じ。
World1のステージ1はほぼ完全に再現されています。ただし、BGMはなく、SEもオリジナルとは異なります。
このあたりは背景の配置がちょっと異なります。
しっぽマリオに変身できる木の葉のグラフィックはまるで枯れ葉のように曲がったものに。
あくまでデモなので、パワーメーターを溜めなくても飛ぶことが可能らしく、パタパタを避けながら飛び上がっていくマリオ。
スロットブロックで回っているカードの絵柄もちょっと異なります。
PC版らしく、ゲームを終了するかどうかというメニューが存在します。
F2キーがコントロールパネル、F3キーがゲームリセット、F9キーが一時停止、F10キー&ESCキーが終了。マリオはカーソルキーの左右で動かし、ジャンプはCtrlキー、ダッシュはAltキーというのがデフォルト設定。十字キーを左手が、ジャンプとダッシュを右手が担当するファミコンとは左右反対です。
音声はヘッドホンとスピーカーを切り替え可能。操作はキーボードとマウスのほか、この環境では接続されていませんがゲームパッドも使えるようです。
ステージ2以降は移植されていません。背景には「LIKE」……
「IT?」というメッセージ。
前半はオリジナル配置を作ったかのような感じ。
デモなので自由に飛び回っていますが、普通にプレイしていると下から叩けないような位置に設置されたハテナブロックが多数。
コインを取りまくり。
マリオ3のスロットブロックはステージ右端にあるのがお決まりでしたが、このステージは左上にあるという変則的な配置。
ステージ3には「3」の文字。オリジナル版では土管内のコインがこの形に配置されていました。
そして、砦へ……。
砦内部はかなりアレンジされています。
しかし、ラストにブンブンはおらず、通常マップと同じくスロットブロックが設置されていました。
砦をクリアしましたが、スタート地点右下の扉は残ったまま。
World1ステージ5もオリジナル。しっぽマリオで飛んでいくことが前提のようですが……
並んでいるコインを通常プレイの飛行ですべて取ることはおそらく無理。
さらに、ステージ6。World1とは思えない足場の少なさ。
また、ワールドマップ上にいるハンマーブロスと重なっても戦闘になりませんでした。
いよいよお城へ。
ここまで来て、飛んできたパタパタに踏まれるミス。
とうとうやられてしまいました。
これまでは自由に飛び回れたことで足場が少なくてもクリアしてきましたが、最後は足場から落下して終了。
移植を行ったカーマック氏は任天堂にPC版を打診してみましたが断られ、当時Softdiskの同僚だったジョン・ロメロ氏らとともに、このPC版マリオ3をもとにしたオリジナルゲーム「コマンダー・キーン(Commander Keen)」を作ってリリース。コマンダー・キーンは15万ドル(当時のレートで約2000万円)以上を売り上げる大ヒットゲームとなり、独立してロメロ氏らとid Softwareを設立しました。
2015年はこの「コマンダー・キーン」発売から25年という記念の年。特別映像を作っていたデイヴ・アレン氏が、自身の手元にはコマンダー・キーンのもとになったPC版マリオ3はスクリーンショット2枚しかなかったことから映像がないかと呼びかけたところ、ロメロ氏が名乗り出て、映像をVimeoで公開してくれた、というわけです。
アレン氏が作ったコマンダー・キーン25周年記念映像はコレ。
Commander Keen 25th Anniversary Special - Ludi Antiqui (subtítulos vendrán luego) - YouTube
ちなみに、id Softwareは「DOOM」「Quake」などのFPSで知られるゲームメーカーで、カーマック氏はFPSの父として知られています。ロメロ氏も開発に携わっていましたが、Quake開発時にスタッフとの軋轢があって、ソフトリリース後に退社。現在はモバイルゲームやソーシャルゲームの開発を続けているとのこと。
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