Firefoxがブラウザに表示される「おすすめタイル広告」の廃止を発表
ウェブブラウザ「Firefox」開発するMozillaは、かねてから実装してきた、タイル表示でユーザーの閲覧履歴などからふさわしいと判断した広告を表示させる、おすすめタイル広告の機能を廃止することを発表しました。
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https://blog.mozilla.org/advancingcontent/2015/12/04/advancing-content/
Mozillaは廃止の理由について「ユーザーは自身と関わりがあってワクワクするような、そして興味を引かれるコンテンツを求める」傾向があること、そしてMozillaはそれに沿ったコンテンツの提供を目指しており、「その実現のためには集中と注力が必要で、そのような『コンテンツの発見』にさらに集中するために、タイル形式で表示していた広告の機能を停止することになった」と説明しています。
Firefoxが停止を決定したタイル広告は、新規タブを開いた際に表示されるタイルのうち、いくつかをユーザーの閲覧履歴などをベースにふさわしいと思われる広告を表示していたもの。その詳細は以下の記事を見ると把握することができます。
Firefoxが閲覧履歴連動型広告タイルを導入、その仕組みとは? - GIGAZINE
Suggested Tilesは、ユーザーが高い関心を示すと予想されるサービスなどの広告をタイルで表示する機能です。
表示される内容は、ユーザーがブラウジングで多くの時間を過ごしたジャンルに基づいた、個々のユーザーに応じたオススメのサービスだけが選ばれるとのこと。
実際の表示イメージはこんな感じ。画面に表示された8つのタイルのうち、左下にある1つには「SUGGESTED」の文字が表示されており、これがFirefoxおすすめの広告であることがわかります。
同様のユーザーの行動に応じた広告表示の仕組みは、Googleの検索画面などでもすでに広く用いられていますが、Mozillaが提供するこの仕組みでは、ユーザーがFirefoxを開き、実際にインターネットに出ていく前に広告を表示するという違いがあるとのこと。そのため、プライバシーが守られるという利点があるといいます。さらに、ユーザーの情報は全てFirefoxのサーバー内で暗号化される仕組みになっていたとのこと。
2015年9月にはタイル広告の具体的な動きをも見せていたMozillaでしたが、機能そのものが廃止されることが決定。Mozillaにとっても、Firefox上で広告を表示させることは重要なビジネス活動になる可能性があったとしながらも、「ユーザーのコア・エクスペリエンスに注力する」という観点において最優先されるものではないという判断が下されたようです。
かつては収益の90%をGoogleの広告から得ていたMozillaでしたが、2015年11月には「Googleがいなくても大丈夫」と、Googleへの依存から脱却した状態を明らかにしています。オープンソースとして開発が続けられるFirefoxとその開発段階であるMozillaの戦略が気になるところです。
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