ハンターが狩った鹿の生肉をゲットしたので「鹿シチュー」などを作ってみた
シカやイノシシなどの動物は農作物に被害を与えるため、ハンターが狩ってもOKな「狩猟鳥獣」と認定されているのですが、倒されたシカやイノシシの肉が市場に出回る機会はさほどなく、牛肉や豚肉とは違って「食べたことがない」という人も多いはず。中でもシカの肉は赤身で脂身が少なく、ヘルシーで栄養価の高い食材なのですが、ハンターが狩猟してさばいた生の鹿肉を塊でゲットすることができたので、一体どんな味わいなのか、ステーキや赤ワイン煮込みに料理して食べてみました。
鹿肉の塊はこんな感じ。普段口にすることがないため、一体全体、どのように調理すればおいしく食べられるのかいろいろ調べたところ、牛肉や豚肉の代わりに使ったりするレシピが多く、ステーキなどでもOKの様子。ただし、生食はE型肝炎の恐れがあるのでしっかり火を通す方が良さそうです。
まずは食べられなさそうな膜などを除去。
味見として小さく切り分けた鹿肉に塩コショウやスパイスで下味をつけて……
ステーキにしてみます。
できあがりはこんな感じ。食べようとナイフを入れてみたところ、テーブルナイフでは文字通り刃が立たず、カットすることすら難しい弾力を誇っています。皿を断ち切る勢いでギコギコするとカットすることに成功しましたが、女性の編集部員は「カットできない……」と、途中で諦めてしまうほど。
食べてみると、味自体はさっぱりとした赤身肉で塩コショウの味わいが効いています。ただしゴムか何かを食べているレベルのかみ応えなので、焼いて調理するには肉をたたくなり、下処理をしないと厳しいかも……。
焼いて料理するのは諦め、「圧力鍋で煮込めばホロホロになるのではないか?」ということで、以下のレシピで「鹿肉の赤ワイン風味のシチュー」を作ってみることに。
鹿肉の赤ワイン風味のシチュー(ジビエレシピ) | 信州ジビエ
用意する材料は、鹿もも肉350g、ブーケガルニ1束、ローリエ1枚、コニャック20ml、赤ワイン200ml、塩適量、あらびき黒こしょう適量、オリーブオイル適量、小麦粉適量、トマト1個、固形ブイヨン1個、水100ml、デミグラスソース100ml、牛ロース背脂80g、白こしょう適量、バター適量、ポワソンとして人参50g、玉ねぎ50g、エシャロット50g、セロリ30g、にんにく2片です。エシャロットの代わりにエシャレットを使っていますが、それぞれ別種の野菜なので要注意。
まずは鹿肉を60~70gのサイズでサイコロ状にカット。
すじ肉も大量に出ましたが、圧力鍋で煮込むので全て入れてみます。
野菜類は全てさいの目切りにして、鹿肉、赤ワイン100ml、ローリエ1枚、ブーケガルニ1束と合わせて漬け込みます。
レシピでは一晩漬け込むとのことですが、時間がなかったので3時間冷蔵庫で漬け込みました。
3時間たつとこんな感じ。鹿肉からは少しケモノっぽい匂いがしていたのですが、赤ワインや香味野菜の匂いで気にならなくなっています。
漬け込みが終わったら赤ワインから鹿肉を取り出し、ペーパータオルなどで水気を切ります。
塩と黒コショウを振って……
小麦粉をパタパタ。
フライパンにオリーブオイルをしき、鹿肉に焼き目がつくまで焼きます。
ワインから取り出した野菜もオリーブオイルで炒めておけばOK。
残ったワインは鍋にあけて……
一度沸騰させ、しっかりとアクをとっておきます。
アクをとったワインをキッチンペーパーでろ過すると……
キレイな赤ワインが抽出されました。
焼いた鹿肉、炒めた野菜、トマト1個、固形ブイヨン1個、こした赤ワイン100mlと追加で赤ワイン100ml、水を100mlを圧力鍋にどばどば。
ここから30分間低圧で煮込みます。
30分圧力をかけて煮込むと、こんな感じになりました。
スープから鹿肉を取り出しておき……
スープはザルなどでこしておきます。
こしたスープにデミグラスソース100mlを追加。
フライパンで100mlほど水気を飛ばします。
塩と白コショウで味を整え、バターを入れたらシチューソースの完成。
取り出しておいた鹿肉は鍋に入れ、肉の半分くらいの高さになるようブイヨンスープを入れて蒸すように温めます。
ここにさっき作ったシチューソースをからめれば……
鹿肉のシチューが完成。
まずは巨大な鹿肉のブロックをカットしてみたら、ステーキとはまるで異なり、サックリとナイフでカットすることができました。食べてみると、脂身がないせいか「とろけるようなホロホロの柔らかさ」とまではいきませんが、ほどよく柔らかい赤身のシカはあっさりながら独特のうまみもあり、食べ応え抜群。複数の編集部員に食べてもらったところ、「豚肉とも牛肉とも違う」「非常にタンパクな味なのに、しっかりと肉の食感なのがスゴイ」「濃いめのシチューソースがタンパクな肉によく合っている」というような意見が集まり、食べ慣れない肉ですが、割と受け入れられたようです。
捨てようとしていたすじ肉の部分も、「かための牛肉」くらいの柔らかさになりました。
シチュー部分は野菜のうまみがしっかり出ていますが、牛肉のように肉のうまみがふんだんに出ることはないのがおもしろいところ。鹿肉はダイエット時でも食べられるのが納得の食材となっていました。
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