全自動でドリフト走行できるデロリアン「MARTY」をスタンフォード大学が公開
2015年10月21日は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」で主人公のマーティ・マクフライがデロリアンでタイムスリップした記念すべき未来の日、ということでスタンフォード大学の学生たちが開発した全自動運転でドリフトする電気自動車(EV)版のデロリアンが未来の日に合わせるように公開されました。
Introducing MARTY, Stanford's self-driving, electric, drifting DeLorean
http://news.stanford.edu/news/2015/october/marty-autonomous-delorean-102015#BacktotheFuture
映画の主人公と同じ「MARTY」と名づけられたスタンフォード製デロリアンがドリフトする様子は以下のムービーで確認できます。
Introducing MARTY, Stanford's self-driving, electric, drifting DeLorean - YouTube
ピットに戻ってきたデロリアン。
ガルウィングも映画と同じように再現されています。
エンジンルームからエンジンを取り外し中。
デロリアンをリフトアップすると、エンジンが地面に残されました。
このエンジンはお役御免。
溶接したり……
削ったり……。
このデロリアンには新しい動力源としてモーターを搭載。EVに生まれ変わることになります。
足回りなども新調して……
完成。いよいよ走り出します。
新生デロリアンに乗り込む二人。
助手席側のサポーターは手にノートPCを抱えています。
無線で乗り込み完了を報告。
センターコンソールに取り付けられたスイッチを「AUTONOMOUS(全自動)」に切り替えると……
全自動運転モードがスタート。
ゆっくりと走り出したデロリアン。
ドライバーはステアリングを握っていません。
デロリアンはパイロンの周りを定常円旋回し始めました。
外の風景が流れる中、ドライバーはやはり手放し運転。
ドリフトしまくるデロリアン。
タイヤスモークが上がります。
小刻みに素早く動くステアリング。
地面にはタイヤ跡がくっきり。
センターコンソールのモニターにはトルク、車速、回転数などの情報が表示されています。
ドリフトしまくったデロリアンがついに停止。
グータッチ。実験は成功したようです。
このデロリアンは、スタンフォード大学のクリス・ゲルデス教授の研究室の学生が製作した自律型のEV「MARTY」です。MARTYは、「危険な状況下に陥った場合でも、正確なハンドル・アクセル操作によって安全を確保できる自動運転車」というコンセプトで開発されました。
2013年に1981年製のデロリアンを2万2000ドル(約200万円)で購入するところからスタート。運命の日である「2015年10月21日」の完成を意識していたことは想像に難くありません。
30年以上前のデロリアンは現代のマシンとして電動化することに決定。Renovo Motorsと共同開発したモーターは、4000lb・ft(約5400N・m)という驚異的なトルクを発揮するとのこと。
トランクルームはこんな感じ。
センターコンソールもモニターやスイッチが多数配置されています。
なお、ドリフト走行に耐えるタイヤは、ブリヂストンが提供したそうです。
ゲルデス教授は、「MARTYの最終目標は、プロのドライバーの操縦するマシンと併走してドリフトをすることです」と述べています。ツインドリフトでは相手との距離を正確に把握したうえで、アクセル、ステアリングを的確に操作することが必要で、これらの高度な自律走行機能は、全自動運転車の安全性を向上させるために不可欠の技術になるとのことです。
・おまけ
記念すべき2015年10月21日を祝うスペシャルメッセージが、デロリアン開発者のドクから送られました。「映画の未来とは違ったかもしれないが、未来は自分で作り出すものです」とのことです。
The Future Is Now! - 10/21/15 - A Special Message From Doc Brown - YouTube
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