「モデルSの信頼性は平均以下」とのコンシューマーレポート評でテスラの株価が急落
アメリカの消費者情報誌「Consumer Reports」による信頼性調査で、テスラモーターズの電気自動車「モデルS」が平均を下回る結果となり、株価が急落するという事態が起こっています。
Tesla Reliability Doesn’t Match Its High Performance - Consumer Reports
http://www.consumerreports.org/cars/tesla-reliability-doesnt-match-its-high-performance
テスラの新型モデルS「P85D」は、その圧倒的な動力性能の高さが評価されて、権威ある消費者団体専門誌Consumer Reportsによる性能評価テストで、100点満点を上回る103点という驚異的な得点をたたき出し、史上最高得点を記録しました。なお、満点越えとなったモデルSの存在により、性能評価テストの評価基準自体が見直されることになっています。
しかし、自動車においては動力性能とは別に「信頼性」も大切な要素です。そこで、Consumer ReportsがモデルSのオーナー1400人から得たアンケート調査を基に、モデルSに関する信頼性をチェックしたところ、「高い動力性能に見合わない平均以下の信頼性である」との結論が下されました。
なお、このConsumer Reportsの評価が出た直後にテスラの株価は最大9%も下落するという事件が起こっています。
Consumer Reportsによると、モデルSはモーターやバッテリーなどの動力源に関わる部品やステアリング、サスペンションなどの走行に関わる部品の経年劣化が見られるとのことですが、これらの走行に関わる主要部品の問題は、4年もしくは5万マイル(約8万キロメートル)の無償保証対象なので、大きな問題ではないとしています。
しかし、車内で聞こえるガラガラやミシリという雑音については、オーナー全般から苦情が上がっているとのこと。ただし、これらの雑音は、一般的なエンジン車とは比較にならないほど静かなモデルSだからこそ目立った問題になっているとも指摘しています。
また、ドライバーがドアに手を近づけると自動で飛び出てくるドアノブが、うまく認識しないことがあるという問題も多くのオーナーから挙げられているとのこと。このドアノブの不良についてはConsumer Reportsも現象を確認しているそうです。
これらの不具合の他にも、修理不能なワイパー、バッテリー冷却用ポンプからの水漏れ、ハッチバックの立て付けの悪さ、永続的に出てくるホイールアライメントの狂いなどに、モデルSは課題を抱えていることが指摘されています。
モデルSのオーナーが挙げている不満点の多くはEV(電気自動車)ならではの問題であり、登場して間もないモデルSでは仕方がないといえそうですが、同じくEVの日産・リーフは数年前のモデルでもモデルSのスコアを上回っているので、言い訳にはならなさそうです。
しかし、注目に値すべきなのは、モデルSのオーナーが総合的に見てモデルSに不満を持っているかというとそうではない点。大半のモデルSオーナーの満足度はとても高く、90%のオーナーが再びテスラのEVを購入すると答えているとのこと。その要因として、モデルSが持つ圧倒的な動力性能だけでなく、テスラのアフターサポートの優秀さを指摘する声が、アンケートからは読み取れるそうです。
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