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約390万円のテスラ「モデル3」スタンダードモデルがネット限定で受注開始、完全自動運転も復活


電気自動車を販売するテスラは、価格が3万5000ドル(約390万円)となる「モデル3」のスタンダードモデルの受注を開始することを2019年2月28日に発表しました。また、かねてより批判が多く一時提供が中断されていた「完全自動運転」機能がオプションに復活していると報じられています。ただ、テスラの財政は厳しい状態にあるようで、販売は実店舗ではなくオンラインのみに限られています。

35,000ドルのTesla Model 3がオーダー可能に。 | テスラジャパン
https://www.tesla.com/jp/blog/35000-tesla-model-3-available-now/


Tesla’s controversial ‘full self-driving’ version of Autopilot is back - The Verge
https://www.theverge.com/2019/2/28/18245370/tesla-autopilot-full-self-driving-musk-2019


テスラのイーロン・マスクCEOは2月28日に記者会見を開き、モデル3のスタンダードモデルをオンライン限定受注で販売することを発表しました。また、2019年の後半には「テスラのオーナーが複雑な都市環境で自動運転をアクティブにできるようになるだろう」とも語っています。

Exact Tesla Model 3 in my profile pic costs $35k before incentives & takes 1 minute to buy online at https://t.co/46TXqRrsdr

— Elon Musk (@elonmusk)


モデル3のスタンダードモデルは2016年3月31日に発表されていたものの、幾度となく発売延期を繰り返し、2019年2月にようやく受注が開始しました。その価格は3万5000ドル(約390万円)と3万7000ドル(約410万円)で、テスラのラインナップの中ではかなり庶民的な価格といえます。最も安価な3万5000ドルのモデルは航続距離が220マイル(約350km)で、最高速度が時速130マイル(約210km)、家庭用電源から1時間充電することで30マイル(約48km)走行することが可能になっています。

Model 3s now available

Standard Range: 220mi, $35k
Standard Range Plus: 240mi, $37k
Mid Range: 264mi, $40k
Long Range: 325mi, $43k
Long Range AWD: 310mi, $47k
Performance AWD: 310mi, $58k, 0-60 mph in 3.2s!
https://t.co/RNnGdonjSr

(prices before incentives)

— Tesla (@Tesla)


もちろん約390万円という価格は最低限での価格であり、さまざまなオプションを追加していくにしたがって値段も上がっていきます。例えば、オプションにある「オートパイロット」は、車体に取り付けられたサラウンドカメラや超音波センサーによって周囲の人や車、障害物を認識し、運転のアシストを行います。

「オートパイロット」は高速道路など変化の少ない道で応用できるオプションで、納車前であれば3000ドル(約33万円)、納車後追加であれば4000ドル(約45万円)別途必要となります。また、サラウンドカメラの数を増やし、将来的に複雑な街中でも自動運転を可能にする完全自動運転対応のオートパイロットもオプションに選択することが可能で、追加する場合は納車前であれば5000ドル(約56万円)、納車後であれば7000ドル(約78万円)が別途必要になります。


テスラ独自開発のオートパイロットシステムは鳴り物入りで登場しましたが、その安全性に疑問の声が多く、2018年10月には完全自動運転対応のオートパイロットはオプションとして選択することはできなくなっていました。しかし、2018年11月にリリースされたオートパイロットの制御ソフトウェアの最新版によって問題点は解決したとのことで、モデル3の廉価モデルの発表とあわせて復活したと考えられています。

一方で、このモデル3のスタンダードモデルは、テスラの実店舗ではなくオンラインによる受注販売に限定されています。インターネットあるいは電話で受注を行うことが可能で、入手してから7日あるいは走行距離1000マイル(約1600km)以内であれば全額払い戻しで返品が可能だとしています。テスラは「これは、もしテスラを買って週末に数百マイル友人とドライブをしても返却が可能ということです。もちろん、テスラは顧客満足度がとても高い車ですので、購入後はそのままテスラを乗り続けてもらえると思います」と述べています。


テスラはオンライン販売へのシフトによって車の販売価格を平均で6%引き下げることが可能になったと述べていますが、注目車種であるモデル3がオンライン限定の受注で販売されたのはテスラの厳しい経済事情が関わっているという指摘もあります。テスラが実店舗を閉鎖して従業員を解雇するほどに緊縮財政を迫られているのは、モデル3の生産体制が整わず、相次ぐトラブルに見舞われていることが大きな要因の1つといえます。

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マスクCEOは記者会見の中で「交通量の多い場所にある少数の店舗」だけをショーケースやインフォメーションセンターとして残し、2019年前半の間にほとんどの実店舗を閉鎖した上で一部の小売従業員を解雇する予定であることを語り、「これはかなり難しい決断ですが、将来のための正しい判断だと考えています」とコメントしていました。

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in 乗り物, Posted by log1i_yk

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