飛び出すディスプレイ「3Dピクセル」を実現する新技術で物体の移動や建築を行うムービー
下からにょきにょき伸びる「ピンブロック」の凹凸でピクセルを表示するディスプレイを使うことで、デジタル情報を物理的に表示したり、ピンブロックの上に置かれた物体を移動して自動的にミニチュアのビルを建築してしまうなど、これまでにない流動的な動きを実現した「3Dピクセル技術」をMITメディアラボがムービー付きで発表しています。
Tangible Media Group
http://tangible.media.mit.edu/project/kinetic-blocks/
3Dピクセル技術により、ブロックを移動させたり、積み上げたりする「Kinetic Blocks」は、以下のムービーから見ることができます。
Vimeo Kinetic Blocks
コレが「Kinetic Blocks」。ピクセルに見立てた白いピンブロックが敷き詰められており、その上に置いた物体を動かすデモンストレーションが行われています。黒ブロックは下から飛び出た白いピンブロックによって持ち上げられており、ピンブロックの凹凸をなめらかに移動させることで、その上に乗った黒ブロックを水平移動させています。実際には順番にピンブロックが飛び出しているのですが、まるで固体物がそのままテーブルの上を移動しているような滑らかさには驚き。
ピンブロックを巧みに動かすことで、物体のY軸(縦)とX軸(横)が回転します。
さらに、XYZ回転を行うことで、Z軸の向きを変えることも可能です。以下の例では、矢印の向きが90度変わっていることがわかります。
また、並行移動だけでなく……
黒ブロックを持ち上げてひっくり返すことで、黒ブロックを立体的に積み重ねることも可能。
ピンブロックで持ち上げるだけでは黒ブロックを3段積み上げることはできませんが、2段積みの黒ブロックを2つ作れば問題を解決できます。
片方を持ち上げて、倒すことで……
3段目に黒ブロックを積み上げることができました。
さらに上記の方法以外にも、黒ブロックを強く押し上げることで、ブロックを投げ飛ばしてブロックを2段にし、さらに2段のブロックを投げ飛ばして3段目まで重ねることも可能です。
また、ピンブロックは一時的な足場としても使用できます。以下のように黒ブロックを持ち上げて、端にあるブロックを転がせば、……
あっという間に橋のような物体が完成。
離れた場所に同じブロックを構築するリモートトラッキング技術にも対応。
右側の赤ブロックを手で動かすと、左側の黒ブロックが赤ブロックの位置を追跡して移動しています。
赤ブロックを2段重ねると、同じように黒ブロックも2段になるというわけです。
磁石ブロックを使ったデモンストレーションも収録されています。
磁石ブロックを集結させると、あっという間に3段の塔が構築されました。
塔の四方に磁石ブロックを移動させると、少し複雑な形状の物体が完成。さらに、右側のタブレットをタップすると……
構築した塔を分解して、別の形状の物体に作り替えることもできるようです。
また、Kinetic Blocksに対応したモジュールも考案されています。以下の白いモジュールを見ていると……
「カシャ」と右側にフラップが出現しました。
するとピンブロックが立ち上がり、フラップに引っかけてモジュールが持ち上がりました。
反対側にも違った形状のフラップを出すことができ、同様にモジュールを持ち上げることが可能。
ムービーのデモンストレーションはすべて小規模のコンセプトモデルですが、大型化に成功すれば、製造業界や産業界に大きな影響を与える可能性があります。例えば、組み立てラインのベルトコンベアに置き換えれば、ロボットと合わせて全自動でiPhoneを製造する、といった使い道が考えられるとのことです。
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