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AppleやGoogleはどうやって秘密裏に商標登録を行っているのか?

by opensource.com

Googleが9月30日未明に開催したイベントで発表した「Nexus 5X」「Nexus 6P」「Pixel C」や、Appleの「iPhone 6s」など、新製品・新サービスの名前というのはその発表の瞬間まで伏せられているもので、なかなか正確な名前を事前に掴むことができません。いろいろな情報が漏れる危険性のある中で、いったい、どうやって秘密を保っているのか、その一端をブログ「Alt Legal」が明かしています。

Tongan Shell Game: How Apple and Google File Trademarks - Alt Legal
https://www.altlegal.com/blog/tongan-shell-game-how-apple-and-google-file-trademarks-in-secret/


商標は出願日が早かったものに優先的に与えられるため、ビジネスで特定の商標を用いようと考えている会社は、できるだけ早い出願を目指します。しかし、「どういった商標が出願されているのか」というのは公開情報なので、誰でも検索することができてしまいます。さらに、アメリカは「使用主義」で、使用していれば一定の地域で権利が発生するという仕組みになっていて、むしろ商標を登録するまでに「使用している」という証拠が必要になります。

そこで、企業は商標を他社に使われないように、かつ出願したことを見つからないようにするため、1946年に制定された連邦商標法、「ランハム法」の第44条(d)を活用しています。

ランハム法第44条(d)は、アメリカで商標が出願される前に同じ商標が海外で出願されていた場合、その日付が優先されるという内容。たとえば、アメリカで登録簿に出願された日付が2015年5月であっても日本で2015年2月に出願されていれば、その商標は遡って2015年2月からアメリカでも効果が得られるそうです。ただし、海外の出願期日が6ヶ月以内であることが条件です。


よく利用されているのはトンガ、ジャマイカ、トリニダード・トバゴといった国々。これらの国々は出願情報をオンラインで公開していないため、「Appleがいまどういった商標を出願しているのか」と探すことが容易にはできません。そのため、数ヶ月後にアメリカで出願されるまで、気付かれにくいというわけです。

この手法はGoogleもAppleも使う手で、特に、Appleは外国での出願のためにペーパーカンパニーを作って、より気付かれにくいようにしています。

Alt Legalがまとめたこれまでの事例は以下のような感じ。

会社商標出願国出願日アメリカでの出願日製品・サービスの発表日
AppleiPodスイス2001/8/312001/10/192001/10/23
AppleApple TVトリニダード・トバゴ2006/11/132007/4/92007/1/9
AppleFacetimeトリニダード・トバゴ2010/4/292010/6/72010/6/7
AppleiMessageトリニダード・トバゴ2011/3/142011/9/142011/6/6
GoogleGoogle Chromecastトンガ2013/6/52013/7/242013/7/24
AppleApple Payジャマイカ2014/6/192014/12/172014/9/9
GoogleAndroid Payトンガ2015/2/232015/8/212015/5/28

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in メモ, Posted by logc_nt

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