末期ガンの息子のために父親が闘病生活をテーマにしたゲームを開発した涙なしで見られない映画「Thank You For Playing」予告編
1歳という若さで脳の末期ガンを患った息子を持つインディゲーム開発者のライアン・グリーンさんは、残り少ない息子の人生を記録する媒体としてゲームを選びました。厳しい闘病生活や、難病を持った息子を支える家族を投影したアドベンチャーゲームを開発する父親と、その家族を描くドキュメンタリー映画も合わせて制作され、その予告編が公開されています。
Thank You For Playing
http://www.thankyouforplayingfilm.com/
「Thank You For Playing」は、インディゲーム開発者のライアンさんが、わずか1歳にして末期ガンを患った息子のジョエル君のためにゲームを開発するというドキュメンタリー映画。
ライアンさんは、息子が末期ガンだということを宣告されたときに悲しみに明け暮れたのですが、同時に「息子が人生を楽しめるように最大限のことをしよう」と思い、ゲームの開発に着手しました。
ゲームは「That Dragon, Cancer」というタイトルです。ジョエル君の厳しい闘病生活をドラゴンとの戦いに例えたゲームで、登場人物やナレーションはライアンさんと、その家族が務めています。
ライアンさんによると、ゲームを通じてジョエル君の存在を世界に知ってもらい、また、ジョエル君が生きてきた証しとしてゲームを残したいとのこと。
そんな「That Dragon, Cancer」の映像が映し出され、ライアンさんが日が差し込む部屋で点滴を打つジョエル君を抱きかかえています。
ゲーム制作のために、ジョエル君の全てを記録。
ジョエル君の笑い声や、泣き声を記録してゲームに使用します。
ゲームには家だけではなく病院での様子も入っています。
巨大な放射線治療装置で治療を受けるジョエル君。
検査を受けるジョエル君を見守るライアンさん。
ライアンさんは手元のPCで検査室を3Dモデリングしていました。
ライアンさんは「僕はこのゲームを息子が生きていた証しとして残すために作りました。自分より早く死ぬであろう息子を看病するのは精神的な負担がものすごくかかります。ゲームを作って精神的負担から逃げ出したかったというのもあるんです」と心境を語ります。
ゲームの中で手をつなぐジョエル君とライアンさん。現実に2人が手をつないで歩ける日が来るのかはわかりませんが、現実世界の思いをデジタルの世界に投影するという切ないライアンさんの気持ちが伝わってくるようです。
「That Dragon, Cancer」は開発中のゲームですが、すでにいくつかのインディーズゲームのイベントに出展したことがあります。
ジョエル君とゲームの中で触れあうことで、プレイヤーはどのような感情を抱くのでしょうか?
ゲームからはライアンさんの親としての感情が至る所にちりばめられているそうで、デモプレイを体験した人の中には涙を流す人も。
That Dragon, Cancerのウェブサイトには、実際のゲームのスクリーンショットがいくつか掲載されており、以下はジョエル君を抱きかかえる母親のエイミーさん。
That Dragon, Cancerはアドベンチャーゲームで、ライアンさんの家をメインに家族の闘病生活を追体験するような内容になっています。
教会の中で本を読むジョエル君。
ゲームをプレイしているというよりか、ライアンさん一家が経験した生活をうかがい知ることができるような感じです。
プレイするのを想像しただけで、心が締め付けられるような感覚に陥りそうですが、いちゲーマーであればプレイするべきなのかも。
ライアンさんは「精神的な負担から逃げ出したかった。でもね、一生逃げ続けることはできないんですよ」と予告編の最後にコメントを残しています。
なお、ドキュメンタリー映画「Thank You For Playing」はアメリカの公共放送サービス(PBS)が2016年に放送予定で、日本での公開および放送は記事作成現在で未定です。
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