Androidのユーザーはロック解除用の「パターンロック」でどんな形状を選んでいるのかが統計から明らかに
Androidスマートフォンのロック解除方法としてPINコードやパスワードなどと共に「パターンロック」がよく使われています。しかし、パターンロックの統計データに基づく分析結果から、性別ごとに好まれやすいパターンロック形状や、万人に選ばれやすいパターンロック形状、理由は不明ながら避けられやすいパターンロックの長さなど、パターンロックの選ばれ方には特徴があることが分かっています。
New data uncovers the surprising predictability of Android lock patterns | Ars Technica
http://arstechnica.com/security/2015/08/new-data-uncovers-the-surprising-predictability-of-android-lock-patterns/
ノルウェー科学技術大学のマルテ・ローグさんは、修士論文の研究テーマとして「パターンロックの統計分析」に取り組み、約4000人のAndroidパターンロック(ALP)を調査・分析しました。
・スタート地点(起点)
調査結果によると、44%の人が画面の左上を起点としてパターンロックを設定していることが判明。さらに77%の人が、4隅のいずれかを起点としていることが分かったとのこと。
・ノード数
パターンが通過する点の数である「ノード数」によって、パターンロックの数(種類)は大きく異なります。例えばノード数4ではパターンは1624通りなのに対して、ノード数が7では7万2912通りとノード数が増えると種類が大きく増え、一般的にセキュリティ性が高まるといえます。なお、ローグさんによると、パターンロックユーザーの平均ノード数は5とのこと。
ローグさんは「ショッピングサイト」「オンラインバンキング」「スマートフォンのロック画面」という3つの場面を想定して、Androidユーザーがどのようなパターンロックを設定するかについてそれぞれ調査しました。以下の画像に描かれた上のグラフが男性の各場面別パターンロックのノード数で、下のグラフが女性のもの。男女いずれにおいてもノード数4のパターンロックが最多で、不思議なことにノード数8のパターンロックが敬遠されがちという結果に。なぜノード数8のパターンの方が、より複雑なノード数9のパターンよりも不人気なのかについて、ローグさんは確たる理由が見いだせないとのこと。
これは男性、女性における各場面別パターンロックノード数の平均値を示したグラフ。ここからは男性の方が女性よりもはるかにノード数の多い、すなわち複雑なパターンロックを設定する傾向にあることが分かります。
・パターン形状
パターンロックの解読を困難にする要素はノード数だけでなく、パターン形状の複雑さも大切です。9つの点を左上から1、2、3、4と数で示すことでパターンロックを表現する場合、下の画像の左上のパターンは「147852369」となり、右下のパターンは「1269853」となりますが、ノード数が7の「1269853」の方が、ノード数が9の「147852369」よりも、ラインがクロスする点でより複雑なパターン形状であると考えられます。
ローグさんはパターン形状の複雑さを特殊なスコアとして数値化することで男女の傾向を調べたところ、女性の方が男性よりもラインがクロスしないシンプルな形状を好む傾向にあることが分かったそうです。
・アルファベット形状
ローグさんの調査によると、パターン形状に「アルファベット」を用いる人の数は意外に多く、統計上10%を超える人が採用していることが判明しています。なお、パターンに採用したアルファベットは、自分や子どもなど身近な人のイニシャルということが多く、名前などの情報を持つ悪意ある者によってロックが解除されるリスクはかなり高めであるとローグさんは指摘しています。
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