クレジットカードの磁気ストライプで楽しむサイエンス
日常生活で何気なく使っている物の中にも「サイエンス」や「テクノロジー」のエッセンスは詰まっているもので、それを発見することに実用性がない場合でも、知的好奇心を呼び起こすワクワク感が得られることはよくあります。古いクレジットカードの中に詰められた科学的要素を、簡単な道具を使って再発見する実験が行われています。
Another Science Experiment « Tetherd Cow Ahead
http://www.tetherdcow.com/another-science-experiment/
用意するのは砂鉄(さてつ)。砂鉄ではなくても酸化鉄、いわゆる赤さびの粉でもOKです。
強力な磁石で……
砂鉄だけでなく赤さびも引き寄せられるのはビックリ。なお、アルミニウムや銅の粉末は磁石に付かないのでNGです。
実験ターゲットのクレジットカード。かつて一般的に使われていた磁気ストライプの太いものを使います。
クレジットカードの磁気ストライプ部分に赤さび粉末をかけると、バーコードに従って、赤さびが整列します。
虫眼鏡で拡大するとこの通り。磁気ストライプには一般的に、3本の水平なライン(トラック)上にデータが入力されています。一番上のラインは高密度トラックと呼ばれる部分。「高密度」とはいうものの、1インチあたりの記録データ量は210ビットとのこと。この高密度トラックにはカード所有者の名前やカード番号、有効期限が記録されるのみ。3本のトラックに書き込めるデータ量は1キロビットで、これはSMSの226文字分にあたるデータ量です。
クレジットカードの磁気ストライプは高い耐久性を保てるように設計されており、使われなくなって久しい状態でも磁気データは保持されているそうです。
続いて実験対象になるのは「Shoo!Tag」という製品。これは、磁気ストリップのコード化された周波数と波動などのエネルギーパターンの電磁電荷タグによって、犬・猫のノミ、ダニ、蚊の対策になるという製品だそうです。
Shoo!Tagに赤さびを振りかけると、やはりパターンが浮かび上がります。
拡大するとこんな感じ。
Shoo!Tagはどのような仕組みでノミやダニを寄せ付けないのかメカニズムを明らかにしていませんが、この下図の赤・青・黄色の部分以外はデータが何も入っていない「null」の領域だそうで、この色づけられた部分のわずかなデータにShoo!Tagの秘密が詰まっているようです。
カードストリップの磁気領域を可視化する以外にも、さまざまな「実験」を行っている人がいます。例えば、フロッピーディスクドライブの書き込み用モーター磁石を、「Magnetic Viewing Film」と呼ばれる特殊フィルムで透かすと面白い模様が浮かび上がります。
Magnetic Viewing Filmでフロッピードライブのモーター磁石を可視化する様子は以下のムービーで確認できます。
Magnetic Viewing Paper - Featured on Hacked Gadgets - YouTube
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