ハードウェア

将来のエンジニア不足を回避するための子ども向け小型コンピューター「Micro Bit」


誰しもがPCやスマートフォンを使い社会にテクノロジーがあふれている時代になり、プログラミングを学んだエンジニアの需要が世界中で増えている一方で、若者、特に中学生や高校生世代の子どもたちがプログラミングを勉強する機会がなく、将来的にエンジニア不足に陥る可能性が指摘されています。将来訪れるであろうエンジニア不足を回避するべく、イギリスの国営放送BBCはプログラミングを学校で教えるためのポケットサイズコンピューターを開発中です。

BBC Micro Bit computer's final design revealed - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-33409311

The BBC micro:bit - Microsoft Research
http://research.microsoft.com/en-us/projects/microbit/

コンピューターサイエンスの振興を目的とする非営利組織「Code.org」によると、プログラマーに対する需要は増加の一途をたどると予想されており、2020年には140万人のプログラマーが必要になるとみられています。その一方で、現状のままだと2020年に存在しうるプログラマーの数は約40万人程度と見られており、アメリカだけでも約100万人のプログラマーが不足すると予測されています。


エンジニア不足に関する問題を重視したアメリカのオバマ大統領は、アメリカ国民に向けて「コンピューターサイエンスを学ぶことはあなただけでなく国の将来にとって重要なこと」と語りかけ、Microsoftの元CEOであるビル・ゲイツ氏やFacebookのマーク・ザッカーバーグ氏がコンピューターサイエンスの重要性を訴えています。

ゲイツ氏やザッカーバーグ氏がコンピューターサイエンスの重要性を説くムービーは以下から確認できます。

What Most Schools Don't Teach - YouTube


こういった状況の中で、イギリスの国営放送であるBBCはイギリス国内の子どもたち向けに「Micro Bit」と呼ばれる4×5cmのポケットサイズコンピューターをMicrosoftと共同で開発中です。Micro Bitは背面に25個のLEDライトを搭載していて、子どもたちはプログラミングでLEDの点灯パターンを決めたり、LEDで文字や数字を点灯させたりしてコードの基礎を勉強することができます。

また、モーションセンサーやボタンも搭載されているので、ゲームコントローラーのようなものを開発するツールにもなり得ると考えられています。さらに、Raspberry PiやArduinoと接続してより複雑なプログラミングにも使用できるとのこと。子どもたちにMicro Bitを通してプログラミングを教えるのは中学校の先生たちですが、ScienceScopeやthe Wellcome Trustといったプログラミングを促進する組織からサポートを受けながら授業をすることになります。


BBCは2015年10月に11歳と12歳の子どもたちに向けて100万台のMicro Bitを無料で配布予定。無料で配布する以外にもイギリス国外への販売を2015年内にスタートさせるそうです。日本の中学生がプログラミングを学ぶには専門の学校やコースを受ける場合がほとんどで、プログラミングの授業を取り入れている中学校はほとんどない状況なので、Micro-Bitがイギリスで成功を収めれば日本でも取り入れる学校が出てくる可能性もあり、期待したいところです。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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