制作中のアニメ映画「この世界の片隅に」、制作支援のクラウドファンディングが2日で目標の50％達成

制作資金の一部を作品を応援する人から募ったアニメ「リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード」が2015年に公開されることになっていますが、これに続くような形で、現在制作準備が進められているアニメ映画「この世界の片隅に」がクラウドファンディングでの出資募集を開始しました。現時点で開始からまだ2日ですが、すでに目標の50％に到達しています。

片渕須直監督による『この世界の片隅に』（原作：こうの史代）のアニメ映画化を応援 |　クラウドファンディング　-　Makuake（マクアケ）
https://www.makuake.com/project/konosekai/

劇場用アニメ映画 -この世界の片隅に- 制作支援メンバーズサイト
http://www.konosekai.jp/
©こうの史代・双葉社／「この世界の片隅に」製作委員会

「この世界の片隅に」は、「夕凪の街 桜の国」「ぼおるぺん古事記」などの作品を生み出したこうの史代が自らの代表作だと認める作品。舞台は昭和19年の広島で、海軍に勤める周作のもとに嫁いで主婦となった少女・すずが、軍港のある呉への空襲や物資の欠乏という現実の中でも日々の営みを送っていく姿を描いています。設定だけを聞くと重苦しいイメージですが、その日常は、気楽ではないものの、どうしようもなく悲惨というわけでもありません。

アニメーション制作は「残響のテロル」「神撃のバハムートGENESIS」のMAPPAが担当。監督は「BLACK LAGOON」「マイマイ新子と千年の魔法」「アリーテ姫」などで知られる片渕須直で、2013年にこうのさんの「花は咲く」を短編アニメ化したことがあります。

作品は準備作業に4年を費やし、シナリオと絵コンテが完成している状態。今回のクラウドファンディングは、今後の作業に向けてのスタッフ確保やパイロットフィルム制作のための資金を募る目的で行われます。以前、片渕監督の作品である「マイマイ新子と千年の魔法」で英語版Blu-ray＆DVD製作のためにクラウドファンディングが利用されましたが、今回はもっと直接的に作品作りを支援することができるというわけです。

2000円の支援で、一般マスコミよりも早く進捗や監督の動向、場面スチールなどの制作素材をメールで送ってもらえる「制作支援メンバー会員」への登録と、こうのさん描き下ろしイラストつき「すずさんからの手紙」がもらえます。メンバー会員にはオリジナル缶バッジ仕様が予定されているメンバー証が送られます。

5000円の支援だと、2000円支援の内容に加え、片渕監督を囲んで行う「制作支援メンバーミーティング」に参加可能。ミーティングは2015年7月の土日祝日に東京・大阪・広島で開催予定で、制作裏話の披露や資料配付、さらに一部本編の先行上映が行われる予定です。

1万円の支援になると、5000円支援の内容に加えて、本編のエンドロールに名前がクレジットされます。

さらに10万円・30万円・100万円の支援コースが用意されていて、それぞれ本編のエンドロールで出資額に応じた特別枠に名前がクレジットされるとのこと。

目標額は2000万円で、3月9日11時から募集が始まりましたが、丸2日経過した3月11日11時の時点で目標の55％に到達しています。作品の制作自体は目標額に到達しなくても続けられるとのこと。「映画を見る人が本当にそこで暮らしていると感じられる」というほど徹底的に現地調査を行って作られる作品がどんなものなのか、非常に楽しみです。