Appleがロシアでのオンラインセールを中止、一体何が起こっているのか?
By Andy
Appleはロシアで行っていたオンラインセールを突如中止しました。ロシアはAppleが販売している製品を購入可能な裕福層が多く存在する、非常に刺激的な新興市場であるはずですが、今はそれどころではないようです。
Apple Stops Online Sales in Russia Over Ruble Fluctuations - Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/2014-12-16/apple-stops-online-sales-in-russia-over-ruble-fluctuations.html
Apple halts online sales to Russia as the ruble plunges in value | The Verge
http://www.theverge.com/2014/12/16/7403535/apple-halts-online-sales-to-russia-as-the-ruble-plunges-in-value
2014年現在、ルーブル(ロシアの通貨)は暴落しており、ロシア周辺の経済地域を非常に不安定な状態に陥れる原因にもなっています。また、ルーブルの急落で一般のロシア人には輸入品を購入するようなゆとりもなくなっている状態だそうです。Appleは価値が暴落しているルーブルの流入を防ぐためにオンラインセールを中止したと見られており、他の多くの外資企業もロシア通貨の流入を一時的にストップする策に出てしまうかもしれない、とThe Verge。
ルーブルの暴落には3つの要因が重なり合っています。ひとつは「原油価格の下落」です。原油販売はロシアにとっては外資を取り込むための最も大きな稼ぎ口であったため、原油価格の下落でルーブルの通貨価値も一緒に下落してしまいました。ロシアの中央銀行であるロシア連邦中央銀行が公開しているデータによれば、月ごとの外資流入量は以下のグラフのように右肩下がりになっているのがよく分かります。
また、ウクライナ南部のクリミア自治共和国に対してロシアが軍事行動を行ったため、ロシアは現在EUやアメリカから経済制裁を受けており、これもルーブル暴落に大きな影響を与えています。そして3つめの原因は、裕福なロシア人の多くが国の将来に不安を抱えるようになっているというもので、1000億ドル(11兆6000億円)が2014年中にロシアから国外に流出すると予測されています。
By Chris
ここ数週間、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は徹底的に通貨価値を上昇させるための策を講じてきました。プーチン大統領は政府系の投資ファンドから銀行に金銭を投入し、債務不履行が生じないように徹底することでルーブルの暴落を防ごうとしたり、金利の引き上げも発表しています。
ロシアのNational Research University Higher School of Economicsにて経済学を教えているNatalia V. Akindinova教授は、「我々は経済危機を目の当たりにしている」とNew York Timesにロシアの経済状況について端的に説明しています。
現在、日本のApple StoreでもSIMフリー版のiPhone 6/6 Plusの販売がストップしていますが、ルーブル暴落とは直結しないはずの日本市場にはどういう事情があるのでしょうか……。
iPhone 6 と 6 Plus - Apple Store(日本)
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