「インターステラー」のサウンドがデカ過ぎ？その真相をクリストファー・ノーラン監督がコメント

2014年11月22日から日本でも全国公開が始まっているSF映画「インターステラー」は、食糧難に陥った人類と家族を救う壮大な映画に見えて「4次元・5次元における重力」の計算や「アインシュタイン方程式の解決策」などの数式を理論物理学者のキップ・ソーン氏が監修していたり、ブラックホールやワームホールを正確に描いていたりと、ゴリゴリのハードSF映画になっています。そんなインターステラーはIMAXシアターでも上映されていますが、「BGMや効果音が大き過ぎる」と実際に鑑賞した人たちから苦情が発生しています。

Interstellar Sound Issues: Explore A Potential Problem With the Film
http://www.slashfilm.com/interstellar-sound-issues/

Christopher Nolan Breaks Silence on 'Interstellar' Sound (Exclusive) - Hollywood Reporter
http://www.hollywoodreporter.com/behind-screen/christopher-nolan-breaks-silence-interstellar-749465

映画「ダーク・ナイト」などを手がけたクリストファー・ノーラン監督は、映画製作において制作準備・音響・宣伝などの全ての段階にまで指示を出すという完璧主義者っぷりが知られています。ノーラン監督の最新作「インターステラー」はイギリスの2014年10月29日を始めとして世界各地で封切りとなっていますが、アメリカ・カナダ・ヨーロッパ各地のIMAXシアターでインターステラーを鑑賞した人たちが、音響に関する苦情を訴えているとのこと。

Twitterにツイートされた苦情は以下のようなもの。

「昨晩TCL・チャイニーズ・IMAXシアターで観たインターステラーはありえないほどの音量で、轟音の呪いだった……」

「35mmとデジタル版のインターステラーは言われているような問題は全くなかった。ただしIMAXシアターに関してはいくつかのセリフが入るシーンで問題があった」

「誰かクリストファー・ノーランを耳鼻科に連れて行ってくれないか？」

うわさを聞いた映画ブログSlash FilmのGermain Lussier氏、真相を確かめるべくTCL・チャイニーズ・IMAXシアターでインターステラーを鑑賞。すると冒頭の対話シーンではBGMや飛行機の効果音が大き過ぎるため、俳優のセリフがほぼ完全に聞き取れなかったとのこと。これは多くの人がTwitterなどで訴えている苦情と同じ内容ですが、同シーンの主演のマシュー・マコノヒーたちの演技が非常に視覚的で、会話の内容を予想できることから「恐らく故意の演出です」とLussier氏は話しています。

Lussier氏はその後、実際にインターステラーを鑑賞した人や同僚に聞き取りを実施。2つの映画館で鑑賞した人が「音はうるさかったが、前回よりマシになっていた」とコメントしていることや、ほとんどの人が劇場の最前部から真ん中の席で鑑賞していたことから、「恐らく場所の問題です」と結論づけています。なお、ノーラン監督は音響に関して別の映画ブログHollywood Reporterに対して、「映画の音響は正常です。6つか7つのIMAXシアターを回ったが、私が意図した効果を正確に実現していた」とコメントしており、独創的な演出を狙ったものであるとのことです。

なお、実際に編集部員が日本の通常の映画館でインターステラーを鑑賞してみたところ、IMAXシアターで言われているような轟音は特に確認できませんでした。ただし、製作サイドの問題ではないものの、東京や北海道のいくつかのIMAXシアターでは、機器トラブルによる返金騒動が起きているようです。その場合は恐らく予告編から音や映像に乱れがあるはずなので、演出かどうかは区別できるはず。壮大なSF映画なので、ぜひともIMAXシアターで鑑賞したい作品ですが、機器トラブルが起きていないか、劇場への事前確認はした方が良さそうです。

『インターステラー』IMAX上映トラブル被害者まとめ（札幌・豊島園・川崎） - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/749109