日本でもauから12月に出る「Firefox OS」搭載スマホが世界各地で順調に成長中

auの新製品発表会で2014年度内の発売予定が発表された「Firefox OS」搭載のスマートフォンは、世界に目を向けると確実に成長を続けています。Googleが「Android One」で進出するなど大注目の100ドル(約1万1000円)を下回る「低価格スマートフォン市場」の現状とその行方について、Firefox OSを開発するMozillaがブログで報告しています。

Firefox OS Shows Continued Global Growth | The Mozilla Blog
https://blog.mozilla.org/blog/2014/10/09/firefox-os-shows-continued-global-growth/

Firefox OSベースの開発者向けクリエイティブプラットフォームを開発 | 2014年 | KDDI株式会社
http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2014/10/03/679.html

2013年6月にブラジル・ポーランド・ポルトガル・スペイン・ベネズエラから販売がスタートしたFirefox OS搭載のスマートフォンは、2014年10月現在、12種類の機種が登場しており24カ国の13のキャリアから販売されています。

2014年8月にインドで発売されたFirefox OS搭載スマートフォン「Cloud FX」については既に記事化済み。販売価格はなんと1999ルピー(約3500円)と、驚異的な低価格を実現しています。

たった3800円で購入できるFirefox OSスマホの使い心地は一体どうなのか？ - GIGAZINE

2014年第2四半期にインド・バングラディシュで発売されたFirefox OSスマートフォンは、急成長を続けるアジアや、2014年1月にメキシコでも販売がスタートし、同じく成長著しい南米でもさらに販売地域を増やしていく予定で、すでに複数の国で発売されているヨーロッパをはじめとして世界中で着実に成長していくと予想されています。

1万円どころか5000円を下回る激安価格のFirefox OS搭載スマートフォンですが、利点は価格だけにとどまりません。Mozillaいわく、「Firefox OSはプラットフォームとしてのWebの万能性と一切の制限がない真の意味で『オープン』なモバイルOSである」とのこと。かつてMozillaのアンドレアス・ガル代表は、「iOSはもちろんAndroidやWindows Phoneなどのあらゆるモバイル端末用OSはアプリ開発などのビジネスをApple・Google・Microsoftが管理する『箱庭』のようなものである」としてOSを提供する企業が作り上げたエコシステムはオープンでないと指摘し、Firefox OSでは一切の制限をなくすことを明言し、「制限のないオープンなFirefox OSは開発者やユーザーにメリットをもたらす」と述べています。

よりオープンなOSを目指すFirefox OSの理念に共感したのか、かつての「auの庭」から飛びだしたauは、「2014年12月にFirefox OS搭載のスマートフォンを登場させる」と田中孝司社長が電撃的な発表を行いました。田中社長の発表は以下のサイトの「オープンステージセッション 3」ムービーの7分あたりから確認できます。

オープンステージセッション 3 KDDI Firefox OS プロジェクトチーム

さらにKDDIは、Firefox OS用の開発ボード「Open Web Board」と開発プラットフォーム「Gluin」を開発者に無料で配布することを明らかにし、Firefox OSへの取り組みの本気度がうかがい知れます。

Firefox OSが、Android・iOSの二強にどこまで食い込めるのはまだまだ未知数。しかし、圧倒的な低価格を実現するFirefox OSスマートフォンが潜在顧客が15億人いると言われる巨大な新興国市場で存在感を見せれば大きなシェアを獲得する可能性も十分アリ。

なお、auからクリスマスに発売される予定のFirefox OS搭載スマートフォンは、これまでに発売された低価格のFirefox OSスマートフォンとは一線を画する高性能を持ち、「ネジ1本までこだわった」デザインを兼ね備えるスマートフォンとのことなので大いに期待したいところです。