ニュースレター購読者をゼロから15万人に増やすために何をしたか?
優れたデジタルサービス・デジタルグッズの情報を配信する「AppSumo」は、2012年にサービスをスタートしてからの10か月で、なんと14万7973人もの新規ニュースレター購読者を獲得しています。どのようにしてゼロから約15万人もの購読者を獲得するに至ったのか、その経緯がブログに綴られています。
Early Traction: How to go from zero to 150,000 email subscribers (Guest Post)
http://andrewchen.co/2014/08/14/early-traction-how-to-go-from-zero-to-150000-email-subscribers-guest-post/
スタートアップにとって、ユーザーの数をわずかなところから大人数にまで増やすのは最も困難なことの1つ。顧客を獲得する戦術としてはFacebook・Google・YouTube・ブログなどで広告を出すことや、Kickstarterのキャンペーンを行うことなどが挙げられます。こういった手法の多くは高価で時間がかかる上に、獲得した顧客が利益を生み出すという保証はありません。「何から始めるのが最良なのか?」については、利用可能なマーケティング活動の中から有効なものを選択する必要があります。AppSumoのノア・ケイガン氏によると、過去4年にわたってあらゆる方法を試した上で、顧客獲得に唯一オススメできる有効な方法は「景品」だったとのこと。
◆景品とは?
AppSumoは、ニュースレターを購読してくれた人へのお礼として、文字通りの物理的な景品や、デジタルアイテム・サービスのプレゼントを実施。さらにFacebookやTwitterなどで友人を招待したり、リンクをシェアすることで追加で景品がもらえる仕組みを設けています。これはWordPressのツール「KingSumo Giveaways」によるもので、ユーザー同士がシェアしてくれることで、まるでウイルスのように景品を求めるユーザーが増加していくとのこと。
景品の例としては、Evernote プレミアムを1年分など。
シェアボタンの設置や景品がもらえるまでの残りシェア数、さらにカウントダウンタイマーを設けたことでユーザーのシェアを促進しています。
景品プレゼントによって、AppSumoは過去4年で合計52万8238人の新規購読者、86万6265ドル69セント(約8880万円)の収入、44万2802ドル72セント(約4540万円)の純利益を獲得できたとのこと。
また、新規購読者1人あたりがもたらす粗利益は0.83%の上昇を見せました。
何をプレゼントするかによって獲得できる新規購読者数に大きな差が生まれますが、用意する景品のコストとの釣り合いも重要なポイント。例えば、MacBook Air2台をプレゼントした時は、4万8187人の新規購読者、1万1550ドル8セント(約118万円)の粗利益を獲得し、新規購読者1人あたりの粗利益は0.24%となりました。MacBook Air2台で2400ドル(約24万6000円)のコストがかかっているため、ROI(投資対効果)は4.81倍となっています。Evernote プレミアムは1年間で4000円なので、MacBook Airはコストに見合わない投資だったことがわかります。
最も新規購読者1人あたりの粗利益が高かったのは、起業ビジネスマガジンのEntrepreneur1か月1000ドル(約10万円)分プレゼントというもの。3846人の新規購読者、2万6572ドル90セント(約272万円)の粗利益を獲得し、1人あたりの粗利益は6.9ドル(約700円)となっています。コストは2500ドル(約25万6000円)だったため、投資対効果は10.62倍とMacBook Airの倍以上の効果を生み出しました。
◆ニュースレター購読者を増加させた7つの方法
……ということで、ケイガン氏が提唱する「7つの方法」をまとめるとこうなります。
1:支援している、またはターゲット層の企業のFacebook広告のトラフィックを購入する。
2:景品を出す時は協賛してくれるパートナー企業を探す
3:景品はiPad・ノートPC・Netflixの使用権といった目を引く製品よりも、Entrepreneurのような自分たちのビジネスに関連する景品の方がサービスを利用してくれるユーザーが増加するため、費用対効果が高くなる。
4:A/Bテストを使ったメッセージで景品にインパクトを与える
5:ほとんどの景品は新規購読者が20%から45%ほどにとどまるため、景品目的のユーザーの登録取り消しを恐れない
6:Twitterのフォロワーが景品を著しく増加させる鍵となる
7:景品によって得られる利益には限界があるため、毎週など頻繁に行わない。四半期ごとぐらいのペースを推奨。
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