全高10mの実物大パトレイバーが立ち上がる、実写版「THE NEXT GENERATION パトレイバー」デッキアップイベントに行ってきました
劇場版「THE NEXT GENERATION パトレイバー」第4章が8月30日(土)から公開されますが、劇中で登場する実物大98式AVイングラムが西日本で初めてデッキアップを行いました。パトレイバー本体と移動用のトランスポーターを合わせて全高10メートル、圧倒的迫力のレイバーをこの目で確かめるべく、イベントが行われる大阪南港ATCピロティ広場に行ってきました。
98式 AVイングラムデッキアップイベント 映画「THE NEXT GENERATION パトレイバー」 : 大阪南港ATC
http://www.atc-co.com/event/000846/
「THE NEXT GENERATION パトレイバー」
http://patlabor-nextgeneration.com/
イベントが行われたのは大阪府大阪市住之江区南港北2−1−10にあるアジア太平洋トレードセンター(ATC)です。
大阪南港ATCに到着。
館内にはデッキアップイベントが大きく告知されていました。
あいにくの雨ですが、イベント開始1時間前にもかかわらず、すでに会場に向かう人がちらほら。
階段を下りてピロティ広場に向かうと……
人だかりを発見。
人だかりの真ん中には98式AVイングラムが横たわっています。
人が多くてよく見えませんが、近づいてみると……
これが98式AVイングラム。
警視庁のトランスポーターに横たわっています。
車両の中から特車二課整備班が出てきました。
和気あいあい。
イベント開始が近づくと、どんどん人が増えていきます。
質問の人が登場し、イベント開始。
前に人が立つと、横たわるレイバーの大きさが実感できます。
映画「THE NEXT GENERATION パトレイバー」で泉野明を演じる真野恵里菜さんが登場。
「それでは、パトレイバー、出動!」という真野さんの掛け声とともにパトレイバーが立ちあがります。
パトレイバーが立ち上がる様子は以下のムービーから確認可能です。
実物大パトレイバーが立ち上がる瞬間はこんな感じ - YouTube
横たわったレイバーが……
立ち上がりだします。意外に速い。
直立しました。
これが全高8mの98式AVイングラム。実際に見るとかなり迫力があります。
正面から。
品川ナンバーです。
背面。
まわりに人がいるとその巨大さがよく分かります。
側面。
そこかしこについたレイバーの汚れや傷が年季を感じさせます。
真野恵里菜さんによる、パトレイバーデッキアップの前に行われたトークイベントの様子は以下から。
真野恵里菜さん(以下、真野):
みなさん、こんにちは真野恵里菜です。雨の中来て下さってありがとうございます。
司会:
まずは雨の中、来て下さったみなさんに一言いいですか?
真野:
98式AVイングラムが西日本に来るのは初めてなんですけど、何と雨の中のデッキアップも初めてなんですね。ドキドキしてます。
司会:
レイバーがちゃんと立ち上がるのかも気になるところですが、真野さんは今まで大阪やATCに来たことがありますか?
真野:
大阪は1カ月前にソロライブで。今年の2月にもプライベートでマネージャーさんと来てUSJで遊んだり。毎年来てますね。
司会:
大阪は好きですか?
真野:
食べ物がおいしくて(笑)
司会:
そんな真野さんと少しお喋りをしながらイングラムのデッキアップを待ちたいと思うのですが。今回全部で7章、そして映画版の撮影と、相当長い撮影だったのですよね?
真野:
そうですね。ちょうど去年の6月末から、私たち隊員は12月末まで。全体の撮影自体は今年の1月半ばぐらいまで。
司会:
そんな中で泉野明(いずみの あきら)役を演じたわけですが。皆さんの中で「読み方違うんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。初代のヒロインとは同じ字で読み方が違うという役なのですが、泉野明はどんな役ですか?
真野:
ホームページのキャラクター紹介とか見て頂くと分かるんですけど、明も何かと初代隊員と比べられるのが悩みの種なんです。明も野明と一緒で、レイバーが好きで。特車二課の隊員たちって割とだめだめな人たちが多いんです。特に男性陣は。なんですけど、カーシャだったり明だったりは、すごく強くて、アクションも女性の方が多いんです。本当に、明は等身大ですね。私が今まで演じてきた役の中でも1番自分に近いなって思います。
司会:
どんなところが近いんですか?
真野:
ゲームが好きなところとか。明はよくソファーに寝転がってゲームをしてたりするんですけど、休日の真野恵里菜とかぶっています。
司会:
真野さんは劇中でかなりハードな訓練シーンがありましたけれど、実際のところアクションは得意ですか?
真野:
こんなに本格的にアクションをやるのが初めてだったので、クランクインする2カ月くらい前から稽古をしてたんですけど、楽しかったです。もともとバスケとかの運動を小さいころからやっていたので、体を動かすことは好きなんです。
司会:
狭い操縦席の中でも撮影されていましたが、あれは結構孤独な作業なのでは?
真野:
そうですね。実際に乗り込むと本当に狭いし……。イングラムって乗り込みの身長制限があるので、明と大田原さんしか乗れないんですけど。撮影は夏場だったので、とにかく暑いんですよ。
司会:
中にクーラーとかないんですね。
真野:
1回乗り込んじゃうと、カメラのセッティングがあったりで2時間ぐらい入りっぱなし。小さい隙間からメイク直ししてもらったり、タオルをもらったり、お水をもらったりしていました。
司会:
そうなんですか!作品中ではメンバーと画面を通して繋がっていますが、実際は目の前に皆さんがいらっしゃらないんですよね。
真野:
いないですねー。でも、インカムじゃないんですけどイヤホンみたいなものを使って、皆さんの声を聞きつつ進めていったので、そこはやりやすかったですね。
司会:
本当に格好のいいシーンであふれているわけですけど、お気に入りのシーンがあれば教えてください。
真野:
そうですね……。第2章エピソード3の「鉄拳アキラ」は明メインの回なんですけど、特車二課を出た明が見られます。明の強さだったりとか、普通の女の子っぽさとか、あとアクションもいっぱいあって……。
司会:
竹中直人さんともいい感じのやり取りをしているんですよね。
真野:
喫茶店のシーンは長回しというか……シーン自体が長いんですけど、もう、しびれましたね。目力だったり声のトーンだったり喋るスピードだったり、竹中さんのお芝居に。私は引っ張って頂いたというか。とても楽しくて、ワクワクしましたね。
司会:
だめだめ男が多いという話を先ほどしていましたけれど、この、だめだめ男も実はすごい達者な役者さんたちが演じているわけで。役者さんたちとのエピソードなどはありますか?
真野:
半年もいると、役が身に染みついているのか、それとも自分が演じているのかよくわからないくらいで。控え室が1つだったので、普段の休憩中もみんな一緒にいるんですよ。だからみんながキャラクターに見えるというか。あと、みんなで「シルエットで誰が誰か分かるよね」という話をしていました。
司会:
普段真野さんは楽屋で何て呼ばれていたんですか?「明ー!」とか……?
真野:
明だったり……でも「真野ちゃん」が多いですね。
司会:
半年も一緒にいるとケンカとかはなかったのですか?
真野:
ケンカはないですね。みなさん大人なので(笑) 私が最年少だったので、ご飯食べ終わったあとに「バスケしましょうよ!」とか言ってました。
司会:
バスケとかしてたんですか!
真野:
実際、特車二課にはバスケットコートがあって、バスケするシーンもあるんです。あとはジュースじゃんけんをしたり(笑) 誰が買いにいくか、勝ち負け表を作って(笑)
司会:
では、1番苦労したシーンは何かありますか?
真野:
大変だったのは……もう少しで出てくるんですけど、地下のダンジョンに潜り込むシーンがあって。原作ファンの方は「アレか!」と思うところかもしれないです。アドリブが多くて……小さいカメラをヘルメットにつけるんですよ。それをつけたまま長い水道管の中を進む5分ぐらいの長回しがあって、台本上は「隊員たちが進んでいる」というだけなんですけど、そこをアドリブで演じたりとか。それはもう皆さんのキャラクターが出ていますね。私は明なのでイタズラっぽく「ゴキブリだ-!」って騒いだりとか。
司会:
それは何章くらいのところなんですか?
真野:
後半ですね。第6章とかになるのかな?
司会:
再来週から4章が始まるわけですが、皆さん楽しみにしていて下さい。今回は千葉繁さんが「シバ シゲオ」という、そのままの名前みたいな感じで出てましたが、千葉繁さんとのエピソードは何かありますか?
真野:
自分たちが出ていなくても、千葉さんのシーンはみんな見に行くんですよ。
司会:
千葉さんの声を聞くと「パトレイバーだー!」って思いますよね。
真野:
本読みの時に、役者さんは相手の出方をうかがったりするので、あまり100の力でいかないのですけど、千葉さんはシゲさん100で来たので、キャストとスタッフからどよめきが起こっていました。「すごい!」みたいに。私も鳥肌が立ちましたね。
司会:
作品を見ても最初のナレーションを聞くだけで鳥肌が立つような……。
真野:
なんですけど、普段はTwitterで「おはりんちょー」みたいに発言されていて、かわいらしいんですよね(笑)
司会:
素敵な話を聞かせて頂きました。
また、デッキアップイベントの後の取材で、さらにディープな撮影のお話を聞くことができました。
質問:
真野さんにとって、レイバーとは?
真野:
実物大のパトレイバーは撮影現場にも置いてあって、やっぱりどこか感動するというか、モチベーションが上がるんです。でも、隊員たちにとってはパトレイバーが身近にあるっていうのは普通なので、私もだんだん見慣れていって、1カ月、2カ月後にはレイバーがそこにある状態が普通になっていました。
質問:
先ほど真野さん自身と明がすごく近いというお話がありましたが、逆に自分と違う部分はありましたか?
真野:
明は表情がころころ変わる女の子で、すごく切り替えが速いんです。例えば何かを食べにいって食べたかったものがなかったら「じゃあコレにしよー」ていう風に違うものにすぐ切り替えられて。私は割とこだわりが強いタイプなので、そういうことはなくて……。でも明はすごくポジティブで、演じているうちにつられるというか、明っぽくなる自分は感じました。
質問:
撮影に臨むにあったって過去作品は見たましたか?
真野:
押井守さんからは「時間があったら見て」と言われていました。ただ「THE NEXT GENERATION パトレイバー」はアニメの設定と同じではないので、逆に見ると野明のイメージがつきすぎて「明が分からなくなるかな」と思い、全く見ずに演じたんです。でも隊員服を着た時に「野明っぽくなっちゃったね」って言われて。特に意識をしなかったのですが、原作ファンの方にも受け入れてもらえたので嬉しかったです。
質問:
実写版では押井守監督、辻本貴則監督、田口清隆監督、湯浅弘章監督という4人の監督が作品を作っているわけですが、それぞれの監督の印象を教えてください。
真野:
押井さんは総監督なのですが、「押井さんの笑顔が見たい」と思ってみんな演じていましたね。でも生身の役者を目の前にした時のよさがあるということで、映像作品をやっているというより舞台の感覚で、のびのびと自由に演じさせてもらいました。
辻本監督はアクションの部分がかっこいい監督です。撮影はカット割りが多かったりとか、アクションもこだわりが強くて、撮影が押すことも多かったです(笑) でも時間をかけるだけかっこよく仕上がったので、私もアクションをもっとやりたかったなって。
湯浅監督は「明担当」と呼ばれていました。押井さんも「湯浅監督は女の子をうまく撮るよね」って。エピソード3・7・11は湯浅監督で、私が45分通してほとんど写っているエピソードもあって、「かわいらしさを出さなきゃ」ていうプレッシャーもあったんですけど、監督のおかげで自然に撮影に臨めました。
田口監督は特撮部分がすごかったです。大巨獣ガッパの回で特撮があって、実際に撮影現場にいたわけではないんですけど、作った映像を見る芝居がありました。それが、本格的ですごくて。あとは1番お芝居の感情の部分に寄り添ってくれる監督だなって思いますね。
なお、デッキアップは8/2(土)~10日(日)の間、11時・13時30分・17時30分の1日3回行われる予定で、3日(日)は観覧のみなので注意しましょう。
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