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次期Android「L」は開発者にとって何が新しいのかという6つのポイント


次期Android OSとして「Lollipop」や「Lemon Pie」の略称と言われるAndroid「L」は、数カ月先の公式リリースを予定していますが、開発者向けプレビューOSが公開されており、新UXデザインなどの数々の新機能が明らかになっています。そこでAzoft Blogが、実際に開発者プレビュー版を使ってわかった「開発者にとって何が新しくなるのか?」という6つのポイントをまとめています。

6 Tasty Android L Treats for the Developer’s Sweet Tooth : Azoft Blog
http://blog.azoft.com/android-l-update-google-io-2014/

◆1:Material design
Material designとは合理的な余白と動きを使った統一理論に基づいたもの。Google Designが行ってきた「紙とインクで想像をかき立てる」という研究にインスパイアされ、画面上に「触れる現実」としてのMaterial(物質)を作り出すというコンセプトになっています。

Material designの中でも、Azoft Blogは新しい2つのウィジェットを「最良のパート」と称しており、以下はListViewのアップデートとなる「RecyclerView」。ダイナミックな表示によってパフォーマンスが向上しています。


カード内でデータブロック表示を可能にして、直感的でしなやかな操作性を実現する「CardView」。


新しくなったアニメーションについては以下の記事から詳細を知ることができます。

次期Android「L」の新UXデザイン「Material Design」はどのような動きでアニメーションするかがよくわかるムービー - GIGAZINE


また、「Zプロパティー」が追加されたことで、ビューの高さを設定できるようになり、開発者はシャドウのサイズをカスタマイズできるようになりました。


◆2:通知機能の改良
通知ディスプレイは少し白くなって影が加えられ、一部のヴィジュアル修正が導入されています。


また、ロック・スクリーン上で通知を全て表示することができ、セキュリティ向上のために非表示にするかどうかを選択できます。開発者はSystemUIのvisibility levelから「パブリック」「プライベート」「シークレット」の3つのモードにコントロール可能。


また、新たに優先度の高い通知のためのフォーマットも作成され、別のアプリを起動している時でも電話などの通知を表示できるようになっています。


◆3:新しいランタイム「ART」
Android 4.4から導入されたランタイム「ART(Android RunTime)」がDalvik仮想マシンに置き換わって、Android Lのデフォルトランタイムとして導入。Android 4.4からの追加機能としては、「AOT(事前コンパイラ)編集」「ガベージコレクションの向上」「開発とデバッグ機能の改良」「Sampling Profilerのサポート」「多くのデバッグ機能の追加」などが挙げられます。また、Exceptionsレポートとクラッシュレポートにより多くの詳細な診断結果が出るようになります。

ただし、以前までのAndroidアプリと違って、C/C++のJava Native Interfaceで動作するアプリは影響を受ける可能性があります。さらにこの問題は、圧縮されたガベージコレクションと互換性のない難読化コード などの非標準のコードで作られた開発ツールや技術にも影響がでるかもしれません。

◆4:公式カメラAPI

By Prepayasyougo

これまでのカメラAPIは完全に動作するものがありませんでしたが、パフォーマンスが相当に増加された新しいandroid.hardware.camera2 APIが加えられます。Camera 2システムに完全に同期されたパイプライン・モデルで、ハードウェアキャプチャ機能とともにフル解像度の画像を提供することができます。特徴としては「HDR+」「DNGフォーマット(RAW形式の代わり)」「バーストモード」「露光時間・ISO感度・フレームデュレーション・レンズ焦点距離」などにアクセス可能で、今までに要求されていたサードパーティ製のスクリプトや、遠回りのメソッドは全て公式カメラAPIによって可能となります。

また、前バージョンのAndroid OSでは製造メーカー側でカメラのアクセスに制限をかけることができましたが、Android Lでは制限をかけられるのはハードウェアだけになります。

◆5:印刷フレームワーク
android.graphics.pdf.PdfRendererクラスが実装され、PDFドキュメントをビットマップイメージとして最適の印刷画質でレンダリングすることができるようになります。そのため開発者はサードパーティ製のビューワーを使用する必要がなくなります。

◆6:OpenGL ES 3.1のサポート
OpenGL ES 3.1がサポートされることで、「シェーダオブジェクトの分割」「間接的なコマンド描画」「マルチサンプルテクスチャ・ステンシルテクスチャ」「シェーディング言語の改良」「高度なブレンドモード・デバッグ機能の拡張」に対応。また、OpenGL ES 3.1はOpenGL ES 2.0および3.0の上位互換性を持ちます。

さらに消費電力を減少させる「Project Volta」モードなども搭載されているなど、これまでのAndroid OSとは一線を画す内容になっているわけです。これらの機能は全てAndroid L開発者プレビューOSにインストールされているものですが、現状のAndroid OSとは互換性を持たないため、「Google Play StoreにAndroid L対応アプリをリリースするのは推奨しません」とAzoft Blogは述べています。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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