最新モバイルOS「Android N」で登場する知られざる6つの要注目新機能


次期Android OSとなるAndroid Nではさまざまな新機能が追加されますが、その中でもあまり知られていない6つの注目すべき機能についてArs Technicaがまとめています。

Six under-the-hood Android N features you should know more about | Ars Technica
http://arstechnica.com/gadgets/2016/03/six-under-the-hood-android-n-features-you-should-know-more-about/

◆ART JIT
Android 5.0 Lollipopから従来のDalvikに変わる新たなランタイム「ART (Android Runtime)」を標準採用したGoogleは、新しい機能や最適化を含む改良を続けています。Android Nでは、最初のARTで採用されていたAOT(ahead-of-time)コンパイラに替わるJIT(just-in-time)コンパイラが採用され、特定の状況下で遅くなっていたARTの動作を高速化させる改善が行われているとのこと。

AOTの問題点は主にアプリをインストールする際に起こっていたもの。アプリをインストールする時、アプリを実際の実行時ではなくインストールのタイミングでコンパイルすることで動作の高速化が図られていたのですが、かわりにインストールやアプリの更新に時間がかかるという状況が生じていたとのこと。また、アップデートを行う際には、その都度アプリの最適化を行う必要があり、1度に複数のアプリを更新するときには多くの時間がかかる問題があったのですが、新たに採用されるJITコンパイラは、この問題を解消してインストールや更新を高速化させるとのこと。

とはいえ、従来のAOTが廃止されるということではなく、状況に応じて両者を使い分けるということになる模様。AOTは端末がアイドル状態で充電中という状況においてのみ使われることになり、バッテリーの消費が抑えられることになります。

◆Quick Settings API
Android Nではクイック設定パネルが改良され、カスタマイズや実際の利用が容易になるよう変更されていますが、さらに「 Quick Settings Tile API」が搭載されており、デベロッパの自由度がアップしているとのこと。新しいクイック設定パネルでは、画面を左右にスワイプすることで複数のパネルを表示させたり、各タイルの追加や移動を行うことが可能になります。また、Googleは推奨していない方法ですが、アプリのショートカットを配置するなど、開発の自由度がかなりアップしている模様です。


◆Data Saver
従量課金制のネットワークを利用している場合などに、アプリによるバックグラウンド通信を制限して通信量を削減させる「Data Saver」機能が搭載されます。ユーザーはこの制限を回避させる「ホワイトリスト」にアプリを登録することも可能とのこと。


◆Always on VPN
Always on VPNは名前そのままの機能で、通信を常にVPNを使って行うようにするもの。これは、個人の端末を業務でもセキュアな状態で利用できるようにするAndroid for Workの一部に組み込まれているもので、特定のアプリの通信にVPNを使用することで、データの漏洩を防止することが可能になります。これまでにもAndroidではVPNの使用をサポートしていましたが、その機能が強化されたものとのこと。

◆Direct Boot
Android 6.0の時点で、一定の性能を満たす新しいAndroid端末はストレージを暗号化することが必須でしたが、Android Nではさらにこの機能が複雑なものになります。

Android Nからは、データの保存場所が「credential encrypted storage」と「device encrypted storage」の2カ所になります。前者のcredential encrypted storageはユーザーが端末をアンロックしていれば内容を読み取れるものですが、新たに追加されるdevice encrypted storageは、端末が起動された状態で完全にアンロックされる前の段階でもデータの読み取りが可能になります。いわば「起動以上・アンロック未満」とも言える状態はDirect Bootと呼ばれます。

デフォルト状態では、アプリはDirect Bootでは動作しないようになっていますが、デベロッパはアプリのコンポーネントをDirect Bootモードで動作するように登録することが可能になるとのこと。Googleはその一例として「アラーム時計のような、スケジュール通知機能を持つアプリ」や「SMSアプリのような重要なユーザー通知機能を持つアプリ」などを挙げています。Googleではこの機能を、端末が突然のシャットダウンや再起動を行った際でも、アプリの基本的な機能をすぐに使用可能にするために使うべきとしているとのことですが、場合によっては予期せぬ情報の流出もあり得るとArs Technicaは指摘しています。

◆OpenGL ES 3.2 (ただし現時点ではVulkanではない)
Android NからはOpenGL ES 3.2グラフィックAPIが正式にサポートされます。とはいえ、これはすでにサポート済みであるOpenGL ES 3.1とAndroid Extensions Packの内容とほぼ同一と言えるものです。さらにArs Technicaが疑問としているのが、サポートが噂されているAPI「Vulkan」が登場していないこと。GoogleではすでにVulkanをAndroidにおける低オーバーヘッドなグラフィックAPIとなることを発表しており、ソースコードレベルではその証拠となる内容も見つかっていますが、記事作成時点では正式な発表が行われていないとのことです。

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