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Googleが「Gemini 3.8 Flash」をリリース、2027年から価格2倍に


Googleは2026年9月2日、AIモデル「Gemini 3.8 Flash」とサイバーセキュリティ向けの「Gemini 3.8 Flash Cyber」を発表しました。Gemini 3.8 Flashはソフトウェア開発やAIエージェントとしての性能、複数段階の推論能力を強化したモデルで、Gemini 3.8 Flash Cyberは脆弱(ぜいじゃく)性の発見から修正までを支援するセキュリティ特化型モデルとなっています。

Introducing Gemini 3.8 Flash and 3.8 Flash Cyber
https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/3-8-flash-and-3-8-flash-cyber/



Googleは2026年7月21日にGemini 3.6 Flash、2026年8月13日にGemini 3.7 Flashをリリースしており、今回のGemini 3.8 Flashは6週間で3回目の更新となります。Googleは高速かつ比較的低コストで大量の処理をこなすFlashシリーズを短い間隔で改良し、長時間動作するAIエージェントやコーディング用途への対応を進めています。

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AIエージェントがソフトウェア開発などの複雑な仕事を担当する場合、1回の回答だけで処理が終わるとは限りません。コードを書いて実行し、結果を確認して修正するといった作業を何度も繰り返す必要があります。高性能なモデルを長時間動かすほど計算コストも増えるため、処理速度や価格を抑えながら複数段階の推論能力を高めることが重要になるというわけです。

Gemini 3.8 FlashはAIが結果を確認しながら追加で考えたり、外部ツールを呼び出したりして処理を繰り返す仕組みである「エージェントループ」を活用しています。Googleによると複雑な課題ではGemini 3.8 Flashが以前より多くの推論ステップを実行するようになり、ソフトウェア開発や専門分野での複数段階の推論性能が向上したとのこと。ただし、高い推論量を設定した場合は消費するトークン数が増える場合もあります。

以下の画像はGemini 3.8 FlashとGemini 3.7 Flashを含む各AIモデルのベンチマーク結果を比較したもの。性能評価では長時間のソフトウェア開発能力を測定する「DeepSWE v1.1」でGemini 3.8 Flashが73.7%を記録し、Gemini 3.7 Flashの65.3%からスコアを伸ばしています。また、科学・人文科学・専門分野などの難問を扱うHLE-Verifiedでは54.9%を記録しました。GoogleはGemini 3.8 Flashが一部の高価格な最先端モデルに近い性能を発揮すると説明しています。


APIの価格は100万入力トークン当たり0.75ドル(約119円)、100万出力トークン当たり3.75ドル(約595円)でGemini 3.7 Flashと同額です。なお、2027年1月1日からは入力が1.50ドル(約238円)、出力が7.50ドル(約1190円)に値上げされる予定。処理効率を優先したい開発者は推論量を低く設定できるほか、Gemini 3.7 Flashも引き続き利用可能です。

Gemini 3.8 Flashと同時にリリースされたGemini 3.8 Flash Cyberは脆弱性を自律的に探し出し、修正用のコードを作成して検証する用途に特化しています。Googleは脆弱性の悪用といった攻撃能力よりも脆弱性の修正能力を優先して開発したと説明。脆弱性発見能力を評価するCyberGymでは86.2%を記録し、20種類のプログラミング言語を対象にしたGoogle内部の評価でも成功率が70%を超えたとのことです。脆弱性修正のCWE-Benchでは47.2%を記録しています。


Google内部でもGemini 3.8 Flash Cyberの利用が始まっており、Chromeの実際の脆弱性を使った評価ではより大規模な主要商用モデルと比べて正しい修正コードを2.6倍多く生成したとGoogleは報告しています。また、Google Cloudの脆弱性研究チームは通常なら調査と発見に数カ月かかる可能性がある重大な脆弱性を2時間未満で発見したとのこと。

ただし、高度なサイバーセキュリティ能力は攻撃にも転用できるため、Gemini 3.8 Flash Cyberの利用対象はGoogleが新設した「Fairwind Program」を通じて政府のサイバーセキュリティ機関、重要インフラ事業者、ソフトウェアの保守担当者など信頼できる防御側に限定されています。Fairwind Programには記事作成時点で世界650以上のパートナーが参加しており、利用組織には利用者を社内のセキュリティ担当者などに限定することや、多要素認証を導入することなどの運用基準が設けられています。


通常版のGemini 3.8 FlashはGoogle AI StudioのAPI経由で利用できるほか、Google AntigravityやAndroid Studio、Stitchでも利用できます。Google AI ProおよびGoogle AI Ultraのユーザー向けにはGeminiアプリやGoogle検索のAIモード、Googleスプレッドシートでも提供されています。GoogleはFairwind Programについても参加組織や提供内容をパートナーの需要に合わせて拡大していく方針で、サイバー防御能力の利用範囲と安全性のバランスを取りながらプログラムを発展させると述べています。

なお、Gemini 3.8 Flashの発表と同日にはMetaも「Muse Spark 1.3」を発表しており、一部の性能評価ではGemini 3.8 Flashを上回る結果が報告されています。

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