世界初の空飛ぶ2人乗りホバーバイク「Aero-X」が予約受付を開始
「ドラえもん」に登場する「タケコプター」や映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で主人公のマーティが操った「ホバーボード」のような空飛ぶ道具や乗り物はいつも人の心を引きつけるものですが、まるで映画「スター・ウォーズ」シリーズに登場する「スピーダーバイク」のような2人乗りホバーバイク「Aero-X」が2017年に市販されることになり、予約の受付を開始しました。
The Aero-X - Aerofex
http://aerofex.com/theaerox/
Aero-Xの完成予想CGはこんな感じ。機体の前後に2つのローターを備え、ヘリコプターと同じ原理で飛行することが可能。搭乗者はカーボンファイバー製の機体の中央部にバイクのようにまたがって操縦します。
機体を上部からのイメージ。機体の大部分を2基のローターが占めている様子を見ることができます。ローターの周囲を囲む円筒状のダクトは安全性を高めると同時に、空気の流れを整えることでローターの効率が上がり、最大で推力を40%向上させることができるとしています。
ウェブサイトに記載されている情報によると、動力には3ローターのロータリーエンジンを搭載とのこと。5000rpmで240馬力を発生させるエンジンからの出力は、各種ギアボックスを経由して2基のローターを駆動するシステムになっているようです。軽量・コンパクトで高出力を実現できるロータリーエンジンというのはなかなか理にかなったチョイスかもしれません。
Aero-Xは最大で2人乗りを想定した設計になっており、最大で140kgまでの乗員・荷物を搭載して飛ぶことが可能。2基のローターが角度を付けて配置されることで、推力のバランスをうまく取ることができるとしています。
機体を斜め後方から見たらこんなイメージ。着陸時や地上走行用に大小4つのタイヤを装備し、搭乗者シートの後ろには横転・転覆時の安全性を考慮してロールバーが設けられています。
すでにプロトタイプの機体でのテスト飛行は完了しており、実際に飛行が可能であることが実証されています。テスト飛行の様子は以下の記事で確認することが可能。以前は「Tandem Duct Aerial」という名称で呼ばれていました。
ファンで浮き上がる近未来的な空飛ぶバイク「Tandem Duct Aerial」
地上数十センチのところを浮かびながら進むAero-X
実際のサイズはこんな感じ。試験中のため前後には補助員がついていますが、実際には自律して空中にホバリングすることが可能です。
まさに映画「スター・ウォーズ」のワンシーンに登場しそうな光景。
手を離しても安定したホバリング可能な安定性を備えているようです。
予想どおりというべきか、飛行時には強い風が周囲に発生する様子。実験は砂漠のような場所で行われていますが、かなりの土ぼこりが巻き上げられています。
以上の機体は実証用の試験器ですが、実際の製品プロトタイプは2016年までにテスト飛行を実施する予定。開発が予定どおりに進めば2017年に市販が開始される予定となっています。
現状で示されている主な仕様は以下の通り。
◆機体
全長:4.5m
全幅:2.1m
全高:1.25m
乾燥重量:356kg
最大搭載可能重量:140kg
搭乗可能人数:2名
◆動力
動力:ロータリーエンジン(3ローター・アルミハウジング/スチールローター)
最大出力:240馬力/5000rpm
燃料:自動車用ガソリン
燃料タンク:75分の連続飛行が可能な燃料タンクを搭載
*安全性のために、操作系統は冗長化
◆飛行性能
浮上高度:最高3.7メートル
飛行速度:時速72km
離着陸:VTOL(離着陸時の滑走なし)
◆オプション装備
乗員保護用に車体全体を覆うエアバッグを装備
水上用アタッチメント
まさに新しい乗り物となるAero-Xですが、メーカーのウェブサイトでは予約受付が開始されています。
Buy - Aerofex
http://aerofex.com/buy/
気になる価格は8万5000ドル(約860万円)をターゲットにしているとのこと。予約の際には5000ドル(約50万円)のデポジットが必要ですが、予約をキャンセルした場合には返金も可能としています。
なお、Aero-Xにはさまざまな用途に応じたモデルを検討しているようで、こちらのレスキュー用のタイプや……
牧場での使用に合わせたタイプ
調査用タイプにはロールバーの上にGPSユニットとおぼしき装置が取り付けられていたり……
公園管理などの用途に用いるタイプ
農業用モデルなどにも対応可能としています。
農薬散布用のパイプとノズルが取り付けられています。
なお、現段階の解釈では、Aero-Xはアメリカ連邦航空局の分類上の「Aerial ATV(飛行バギー)」に相当するとされています。公道での走行(飛行)はできませんが、アメリカ国内ではライセンス不要で操縦できる乗り物ということになるそうです。
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